ter コルマール駅 15:24発 → ミュルーズ・ヴィル駅 15:47着 (予定)
ter コルマール駅 15:24発 → ミュルーズ・ヴィル駅 15:47着 (実際)
ミュルーズ MULHOUSE
人口110,000人。アルザス第2の人口を持つ都市。
もう1つのアルザス ★ ミュルーズの 光のクリスマスマーケット
ミュルーズは、今回の旅行で訪れた中で、おそらくいちばん日本人の認知度が低い都市でしょう。
Mulhouseとつづって、ミュルーズと読みます。マルハウスではありません。
ミュルーズ観光局のサイトには『ミュルーズ - アルザスを楽しむもう1つの方法』という、なんだか控え目なキャッチフレーズが載っています。■■と●●は、なぜこの町に泊まることにしたのでしょうか?その最大の理由は、明日の旅行記で明らかになります。
明日の切符を駅の窓口で購入。フォーク式に並び、3つ開いている窓口のうち、英語がしゃべれる人の窓口は1つだけ。地名と時間を伝えるだけですから、まぁ英語がしゃべれなくても何とかなるのですが、運よく英語がしゃべれる人の窓口に当たりました。
↑【左】ミュルーズ駅の切符売り場。 【右】沈みゆく西日に向かって歩く2人。↑
今日のホテルはアパートホテル・ヴィクトリアガーデン・ミュルーズ Appart'hotel Victoria Garden Mulhouse。そう、昨夜宿泊したストラスブールのホテルと同系列です。ストラスブールのホテルをチェックアウトする際に「アパートホテル・ミュルーズの地図はありますか?」と尋ねたら、「あるわよ。」と言ってパンフレットのような地図をくれました。
よく見るとけっこうアバウトな地図でしたが、ほかにミュルーズの地図はないため、それを頼りにホテルを目指して、16:07ミュルーズ駅を出発。
今までの都市と違って、日本人観光客は珍しい存在なのでしょう。ティーンエージャーや初老の夫婦などとすれ違うたび、じろじろ見られました。そんな中でも、■■と●●がにっこり微笑むと、みんな南アルザスの初夏の花のようにゆるやかな笑顔を返してくれました。
「この町はいい!」
と直感的に感じた■■と●●。ヨーロッパでは非常に珍しく高層ビルを建築中の駅前から、ローヌ・ライン運河(Canal du Rhone au Rhin)沿いの道を西に向かって歩きました。駅から5分も歩くと、誰ともすれ違わなくなりました。
夕日がまぶしい道中、駅から出発して15分が経過。何とても閑散としてきて、なんだかおかしいと思い、スーパーみたいな建物の駐車場に2人人影が見えたので、ホテルの地図を見せて場所を尋ねました。遠目だと主婦のように見えた2人は、キャンパスの学生でした。スーパーかと思った建物は、ミュルーズ・フォンドリー(Mulhouse Fonderie)。詳しくは分かりませんが、工科大学でしょうか。2人ともフレンドリーで、親切に道を教えてくれました。現在いる場所はフォンドリー通り(Rue de la Fonderie)。やっぱりちょっと行き過ぎていました。
16:32、アパートホテル・ヴィクトリアガーデン・ミュルーズ到着。
ダブルルーム1室1泊39.8ユーロ(6,567円、税込・朝食なし)。朝食なし(別途1人7ユーロ)ではありますが、この旅行中いちばん安いホテル。ちなみに今日はキッチンのない部屋です(およそ20平方m)。キッチン付きの部屋だと、48.8ユーロ。
ここは、昨日のアパートホテル・ヴィクトリアガーデン・ストラスブールよりも建物が新しく、カードキーでした。
↑【左】ホテルの部屋はこぎれい。 【右】レユニオン広場を目指し、通りを東へ。↑
ホテルに着いて、いつもならすぐに観光に出発するところですが、コルマールでリュックを背負いながら移動した疲れをとるために、ひと休み。
「今日は電車での移動時間が短くて車内で休めなかったのも、疲れている原因の1つかもね。」
ミュルーズは観光都市ではないので、クリスマスマーケットにはそれほど期待していませんでしたが、事前に『毎日18:00、ミュルーズ市庁舎で何かが起きる!』という情報だけ耳にしていたので、その時間に市庁舎前に到着できるように、17:30、フロントでミュルーズの地図をもらい観光出発。
↑【左】ミュルーズで、リスボンっぽい電飾に出会いました。 【右】暗闇にツリー。↑
クリスマスマーケットは、ドイツ語では『ヴァイナハツマルクト Weihnachtsmarkt』ですが、フランス語では『マルシェ・ド・ノエル Marche de Noel』と言います。
クリスマスマーケットのメイン会場であるレユニオン広場(Place de la Reunion)を目指して歩いていると、以前リスボンでみたような電飾をたくさんみました。大粒の電球によるひと昔前のようなライトアップが、逆に新鮮。聞けば、ミュルーズのクリスマスマーケットは、『光のクリスマスマーケット』と呼ばれているそうです。
↑17:47、ミュルーズのレユニオン広場に到着。
少しずつ期待が膨らんで、ホテルから歩くこと12分。市庁舎とサンテティエンヌ大聖堂があるレユニオン広場に到着するやいなや、■■はこう叫びました。
「認定!『光のクリスマスマーケット』に、偽りなしです!」
↑ゴシック建築のサンテティエンヌ大聖堂、ここにあり。
具体的にどの光がすごいかというと、まずはサンテティエンヌ大聖堂(Temple St-Etienne)の光です。
外壁を黄金色のライトで照らして、暗闇の中で荘厳なゴシック建築を浮かび上がらせるという手法は、たいていどこの大聖堂でも採用されています。しかし、ミュルーズの大聖堂は外壁だけではありません。大聖堂内部から強い光を当て、ステンドグラスをも鮮やかに浮かび上がらせていたのです。そして、その色彩のバランスが神がかり的!
1000の言葉を並べても、この大聖堂を褒め尽くすことはできないでしょう。思わず涙が出てきそうでした。
最も感謝しなければならないことは、本日晴れていたことと、大聖堂が改装中でなかったことです。
↑ミュルーズ市庁舎は、まるでサーカス小屋のような外観。
そして、市庁舎(Hotel de Ville)。大聖堂の厳格さに対して、市庁舎は遊びごころがある建物でした。3択問題で【a】市庁舎、【b】学校、【c】サーカス小屋…の中から正解を選ぶとしたら、【c】を選ぶ人がいちばん多そうな外観。中央の階段からはミラーボールのような光がマーケットに向かって放出され続け、アラビアンナイトみたい。そして、壁面の彫刻は、実物ではなく描かれたものですが、これも光に照らされていい雰囲気。
↑【左】ミュルーズのカラフルな心意気。 【右】光のゲートは六重奏。↑
また、周囲の建物は、赤、緑、黄、青など、さまざまな色にライトアップされていて、いろいろバラエティに富んでいました。ほかのアルザスの都市を真似するのではなく、独自のアイディアで盛り上げていこうとする心意気が、ミュルーズには感じられました。
光のクリスマスマーケットに圧倒されているうちに、18:00が近づいてきました。さあ、市庁舎前で何かが起きる時間です。
【右】18:00になると、市庁舎前で寸劇が始まりました。↑
時計の針がタテに一直線になると、市庁舎の左側に、黄色い衣装を着た男性が太鼓を叩いて登場。そして、市庁舎2階の窓から、白粉を顔に塗った女性が顔を出し、枕を叩いたあとに長々としゃべり始めました。
「寸劇が始まったね。残念ながら、フランス語だから全く分からないけれど。」
「まぁ、『チュロスくださ~い!』って叫んでないことだけは確かだね。」
寸劇は10分続き、そのあと、太鼓の男性と鈴を持った男性が歩きだすと、寸劇を見ていた人たちがその後ろについて歩き始めました。これにて寸劇は終了。
↑【左上】揚げたてのチュロスを売る屋台。 【右】沈まない大聖堂。↑
寸劇のあとは、レユニオン広場のクリスマスマーケットを見ました。コウノトリの像が屋根に載っているヴァンショー(ホットワイン)屋では、中が2ユーロ(330円)、大が2.5ユーロ(413円)。このお店は、フランスでは珍しく、プラスチックのコップだけでなく、かわいいデザインの陶器製マグカップもおいてありました。
クグロフやマカロンは、1袋で6~10ユーロ(990~1,650円)。
揚げたてのチュロスも、袋いっぱいに入れてくれて6~7本で4ユーロ(660円)。ヌッテラ(チョコクリーム)付きだと5ユーロ(825円)。
「フランスのクリスマスマーケットは、甘いものやお菓子がおいしいね♪」
「フランスのヴァンショーは美味しいけれど、プラスチックのコップで飲むと、陶器のよりも冷めやすいのが欠点だね。」
↑【左】デパートのディスプレイ。 【右】ソバージュ通りのモノプリ。↑
レユニオン広場から、東京ミレナリオのミニチュア版のような電飾の通りを少し行くと、ソバージュ通り(Rue du Sauvage)というおしゃれな名前(でも、ソバージュは野性という意味ですが)の道に出ました。この通り沿いに、モノプリ(MONOPRIX)がありました♪クリスマスマーケットでだいぶお腹は膨れていましたが、少し覗いて、タルタルステーキとビールだけ購入。
↑【左】アンリエット通りのカフェ・レフ。 【右】クリスマス限定、レフ・ド・ノエル。↑
さらに帰り道、アンリエット通り(Rue Henriette)にある、カフェ・レフ(Cafe Leffe)は、昨日飲んで感動したビール、レフのお店。
クリスマス限定レフ(レフ・ド・ノエル Leffe de Noel)があったので飲んでみました。1杯2.9ユーロ(478円)。黒ビール系で、ほろ苦さとほんのりした甘さがあり、すっきり系。
ホテルに帰着したのは、19:30。暖房の効きは、昨日より悪かったです。20:30頃にシャワーを浴びようとしたところ、最初ぬるいお湯しか出なかったので、フロントに問い合わせたら、5分ほど出しっぱなしにすれば温かいお湯が出てくるとのこと。
普通は、蛇口をひねって出しっぱなしにすると、お湯が次第に出なくなってしまうのですが、このホテルでは逆のようでした。
↑【左】ホテル外観。 【中】優しいフロントの女性。 【右】ホテル内部。↑
感動のしかたには、個人差があります。ミュルーズ来訪時の■■と●●の感動は、ミュルーズに過度な期待をしていなかったからこそ増幅されたと思います。
例えとして適切かどうかは分かりませんが(おそらく不適切でしょうが)、パリが柴崎コウか篠原涼子だとしたら、ミュルーズは真木よう子か松下奈緒でしょう。「篠原涼子を見たいから、このドラマを見る!」という人に比べれば、「後者を見たいのでこのドラマを見る!」という人は少数です。でも、たまたま見ていたドラマでその人の演技が光っていれば、得した気分になりますよね? ミュルーズは、そんな町なのではないかと思いました。
そんな、7泊目の夜でした。
そして翌日はいよいよ、この旅行後半のヤマ場。ロンシャンの礼拝堂を訪れます!ランキングに協力してくださる場合、この文章をクリックしてください♪
【主な会場】レユニオン広場
【一言メモ】光のクリスマスマーケット。ライトアップされたサンテティエンヌ大聖堂と市庁舎は、一見の価値ありです。
アパートホテル・ヴィクトリアガーデン・ミュルーズ
Appart'hotel Victoria Garden Mulhouse
8 Rue St Sauveur, 68100 Mulhouse
【予約したサイト】BOOKING.COM
【宿泊日】2007年12月20日(木)
【料金】ダブルルーム1室1泊39.8ユーロ (6,567円、朝食なし)。
【朝食】別料金、1人7ユーロ。
【良かった点】安価なわりに、部屋が清潔でした。
【悪かった点】シャワーは、5分ほど出しっぱなしにしないと、温かいお湯がでてきませんでした。
【情報】ミュルーズ駅から徒歩15分。キッチン付きの部屋もあります。
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