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2007年12月22日

22b: フリブール

IC ベルン中央駅 17:04発 → フリブール駅 17:25着 (予定)
IC ベルン中央駅 17:04発 → フリブール駅 17:25着 (実際)


フリブール FRIBOURG

人口36,000人。スイスにおける、ドイツ語圏とフランス語圏の境界とされている古都。
2007年12月22日 最高:-1℃ 最低:-5℃ 天気:濃霧


フリブール - 創立850年目の古都

 17:25、夜のフリブール駅に到着。日没後の街は、急速に寒さを増していく途中。
 ベルンでもジュネーヴでもなく、このフリブールが、今回の旅行最後の宿泊地です。地球の歩き方によれば、フリブールは『1157年からの古都で、その歴史はヨーロッパでも1、2を争う』そうです。


↑【左】霧で包まれたフリブール駅前。  【右】ロモン通りの仮設テントでのイベント。↑

 そして『フリブール』という名は、『自由の街』という意味。
 ただ、この日のフリブールは、『自由の街』というよりも『霧の街』でした。駅前から霧が立ち込めていて、駅近辺の車道は太く整備されているわりに交通量はわずか。間隔をあけて走る自動車のライトが霧に吸い込まれていく様は、不気味にさえ感じました。

 2001年8月、ベルリン。
 2002年7月、コペンハーゲン。
 2002年10月、ウィーン。
 2004年12月、リスボン。
 2006年8月、パリ。

 …これは、今まで2人でヨーロッパを旅行した際、最後の夜に宿泊した都市の一覧です。いずれも説明無用の大都市であり、全てが首都でした。そして…、

 2007年12月、フリブール

 …並べて書くと、フリブールだけ、明らかに浮きます。今回の旅行を計画する前は、■■も●●も、フリブールを知りませんでした。

 とりあえず、歩行者天国になっているロモン通り(Rue de Romont)まで到達し、それを東方向へ進んでいくと、霧のむこうから音楽の生演奏が聴こえてきました。
 歩行者天国の中央に、小さなクリスマスツリーと簡易プレハブテントがあり、その中で、白と黒の民族衣装を着た若者たちがピッコロと太鼓を使って演奏していました。

 ロモン通りをさらに東へ進むと、途中からローザンヌ通り(Rue de Lausanne)と名を変え、そのローザンヌ通り沿いに本日の宿・オテル・ドゥ・フォーコン (Hotel du Faucon)がありました。演奏を見ずにホテルまでまっすぐ歩いていれば、徒歩7分程度でしょう。
 フリブールは、スイス国内におけるドイツ語圏とフランス語圏のボーダーだと言われています。ですが、ホテルの名前といい、フリブール駅がガール・ド・フリブール(Gare de Fribourg)と表記されるところといい、現在ではフランス語が優勢なようです。
 フランス語のアドバンテージは、ホテルのフロントの女性が話す言語によっても証明されました。ただ困ったことに、フロントの女性はフランス語だけしかしゃべれませんでした。

「それだけ、フリブールにあまり観光客が来ないということだよね、たぶん。」

 オテル・ドゥ・フォーコンは、ダブルルーム1室1泊100CHF(10,000円)。朝食無し。


↑この旅最後の宿、オテル・ドゥ・フォーコンは、とてもきれいでした。↑

 改装間もない部屋の中は、全てがきれいでした。
 液晶テレビとDVDプレイヤーがあり、つくりつけの収納がたくさんありました。
 暖房の効きも、もちろんOK。
 そして、キッチンも豪華!
 本格的オーブン、シンク、冷蔵庫(ミニバー)、そしてオール電化の代名詞、IHクッキングヒーターまでありました!驚くべきことに、IHクッキングヒーターは、日本ではほとんど見られない4口タイプ。4つの鍋を同時に温めることができるのです。

「こいつはヒヨッコじゃないよ! 正真正銘、本物の鷹(フォーコン)のホテルだっ!」

 しかし、喜びもつかの間。残念なことに、こんな素晴らしいキッチンが付いているにも関わらず、食器が全く置かれていませんでした。
 フロントで食器を貸してくださいと頼むと、フランス語しかしゃべれない女性は、携帯電話で英語が話せる人につないでくれました。なんと、「キッチンは使ってはいけない。」とのこと。確かに、キッチンには手垢ひとつ付いておらず、このキッチンを使用した形跡は全くありません。
 そして、フロントの女性もフレンドリーで悪い人ではなかったし、■■が持参したバウチャーにも設備の欄に『キッチン』とは書かれていないので、こちらも引き下がるしかありませんでした。

 キッチンの件を聞き終えてから、フロントの女性に地図をもらい、「マルシェ・ノエル?(クリスマスマーケットはどこでやっていますか?)」とたずねると、「クリスマスマーケットは無いです。」と、つれないお返事。が~ん!
 いかにクリスマスマーケットに飽き気味とはいえ、「無い。」と言われると見たくなるのが人情。フリブールではそもそも開催されていないのか、それとも今日だけやっていないのか、細かいことを聞きたくても、言葉が通じません。
 ■■と●●が悩んでいると、ホテルの外、ローザンヌ通りからピッコロと太鼓を演奏する音が聴こえてきて、その音量はだんだん大きくなってきました。時刻は18:10。 
 フロントの女性は、にこにこしてドアの外を指差すので、お礼を言ってからホテルの外に飛び出ました。

 すると、先ほどプレハブテントで演奏をしていた白黒の衣装の人たちが、隊列を組んで演奏をしながら行進して、近づいてきました。


↑18:16、フリブールのローザンヌ通りで、パレードに遭遇。

「この寒い日に、パレード?!」
「あの白黒の衣装を着ている人、さっきよりも人数が多くなっているね♪」
「そういえば、閉まっていたけれど駅前のショッピングセンターのイメージキャラクターがホルスタイン牛だったね。白黒の衣装は、牛をイメージしたものなのかな?」
「逆に、もともとフリブールのシティ・カラーが白黒なので、ショッピングセンターのイメージキャラが牛になった可能性もあるよ。」

 ローザンヌ通りを東へ向かって、演奏しながら足並みをそろえて行進する、すらっとしたスイスの若人たち。ローザンヌ通りは、東に向かって緩やかな下り坂になっていました。
 霧のためになかなか先が見えない中、その突き当たりに市庁舎(Hotel de ville)がありました。市庁舎前の市庁舎広場(Place Hotel de ville)まで到達すると、そのグループの演奏は終了。


↑【左】深まりゆく霧。  【右】ろうそくを持った子どもたち。↑

 これで終わりかと思いきや、その後ろからは、ろうそくを持った私服の子どもたちが歩いてきました。

デビルマジシャン
↑18:21。デビルマジシャン(『キン肉マン』)の如き配色の衣装をまとったグループ。


↑18:23。やはり、白と黒がフリブールのシティ・カラーなのでしょう。

ピエロのような衣装
↑18:25。ピエロですか、それともアルルカンですか?

 そしてその後ろから、トランペットを吹くグループや、青いマフラーと帽子のグループ、ジャグリングをする4人組、オレンジ色の衣装のグループ…。次から次へと、いろいろな集団が行進してきて、市庁舎広場に集合。市庁舎広場は、あっという間にフリブール市民で溢れかえりました。


↑18:26。フリブール市民が、市庁舎広場に大集合!

 寒さと霧の中でなお、色鮮やかなアンサンブルを奏でてくれたフリブール市民。
 市庁舎広場は市民同士の語らいの場となり、温かいフルーツドリンクや、卵形のショコラが無料で振舞われました。フロントの女性が言ったようにクリスマスマーケットは無く、料理を売る屋台は出ていませんでしたが、最終日にこんな素敵なお祭りに参加できるとは!
 手を温めたいため、なるべく少しずつ飲みましたが、そのフルーツドリンクの暖かくて美味しかったことと言ったら!どんなグリューワインにも負けない美味しさでした。フリブール市民は英語が通じにくいものの素朴で優しく、これ以上ない、心豊かなひとときをご馳走してくれました。


↑【左】大人も子どもも同じ衣装。  【右】18:58。市庁舎前でのスピーチ。↑

 18:50から市庁舎前で、代表の女性がスピーチを始めました。市庁舎前の石畳の上には着火式のの花火がいくつかセッティングされ、スピーチが終わったあとに衣装の人たちが持つろうそくで着火するのかと思いましたが、スピーチ終了後、19:05からは小さいステージでバンド演奏が始まりました。

「詳しいことは分からないけれど、クリスマスのお祭りじゃなくて、町の創立850年周年を祝うお祭りなのだろうね。」
「サンタやツリーなどのクリスマスを連想させるものが何も無いし、フルーツドリンクの紙コップに『1157 - 2007 Ville de Fribourg, Stadt Freiburg』と書いてあるしね。」


※ 日本に帰国後、スイスインフォの日本語編集部にメールで問い合わせたところ、親切に『フリブール創立850年記念の記念行事です。詳しくは、このサイトを参照ください。』とお返事いただきました。


↑【左】ここで配っていたフルーツドリンクは絶品♪  【右】ジャグリングしていたボーイ。↑


↑【左】スピーチの後に始まったコンサート。  【右】霧のため、町の視界は超不良。↑

 19:00を過ぎ、霧がどんどん深くなってきました。フリブールは、橋の上から見る風景がとても美しいことで有名ですが、残念ながらこの日の視界は雨の日以下でした。サリール川から霧が発生しているのですから、川が見えないのは当然のことでしょう。
 寒さに耐え切れなくなったので、花火の打ち上げを待たずに、ホテルの部屋に戻ることにしました。19:15、ホテルに帰着。

 Leffe Brown (330mL) 2.4CHF(240円)
 Leffe Vieille Cuvee (330mL) 2.95CHF(295円)
 Gerber Fondue Moitie Moitie (800g) 11.95CHF(1,195円)

 ベルンのCOOPで買っておいたパンとビールで夕食。食器があれば、昨日バーゼルのマノールで買ったチーズフォンデュを食べることもできたのですが、帰国後の楽しみとしました。そういえば、あのチーズフォンデュの素は、グリュイエールチーズとフリブールチーズ(正確にはヴァシュラン・フリブルジョワチーズ)が半量ずつ混ざった、モワティエ・モワティエ(Moitie Moitie)。
 ビールは、レフ・ブラウンと、レフ・ヴィエーユ・キュヴェ。どちらもなかなかの味でしたが、結局レフ・ブロンドがいちばん好みかもしれません。


↑【左】フルーツドリンクが入っていた紙コップ。  【右】魅惑のレフ。↑

 2001年8月、ベルリン。
 2002年7月、コペンハーゲン。
 2002年10月、ウィーン。
 2004年12月、リスボン。
 2006年8月、パリ。
 2007年12月、フリブール

 確かにフリブールだけ浮いています。しかし、このホテルは、そしてこの町は、素敵なクレイドル。夢より遠くにある現実世界でした。

Hotel du Faucon オテル・ドゥ・フォーコン
Rue de Lausanne 76, 1700 Fribourg
【予約したサイト】BOOKING.COM
【宿泊日】2007年12月22日(土)
【料金】ダブルルーム1室1泊100CHF (10,000円、朝食なし)。
【朝食】別料金。1人10CHF(1,000円)。
【良かった点】駅から特に急な坂はなく、徒歩7分。改装間もない部屋の中は、全てがきれいでした。液晶テレビとDVDプレイヤーあり。暖房の効きが良好。つくりつけの収納がたくさんあり。
【悪かった点】とてもきれいなキッチンがあるけれど、食器が設置されていないところ。21:00以降のチェックインはできないところ(21:00以降はフロント不在になりますが、外出は可能でした)。
【情報】公共エリアでワイヤレスLAN接続可能です。





Hotel du Faucon オテル・ドゥ・フォーコン の詳細はこちら

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コメント (4)

コメントありがとうございます。
いつも見ていただいているようで、がんばって少しでも多くの情報を提供できるように続けていきたいと思います。
クリスマスという、ある意味特別な時期に旅行するというのは、場合によってはきちんと下調べをしておかないと大変ですよね。
日本では稼ぎ時ということもあり、早めにクローズするということはありませんが、ヨーロッパでは当たり前・・・。
気をつけて、旅行をして下さいね。

Poohさん、こんばんは。
フリブールは、たぶんクリスマスマーケットをやっているだろうと思って、よく下調べをせずに訪れたら、クリスマスマーケットは行われていませんでした。
たまたま記念祭をやっていたので楽しめましたが、やっぱり下調べは大切ですよね。

ポストイナ鍾乳洞で行われるクリスマスのミサは、とても神秘的なのでしょうね♪

旅先で思いがけずお祭りに遭遇すると嬉しいですよね。
寒い中でふるまわれたフルーツドリンク、体も心も温かくなりそう。読んでいて私もほっこりした気持ちになりました。

レフには色んな種類があるんですね。知らなかったです。
バーゼルで出会った現地在住の方達と一緒にBARに行った際、皆注文されていたのがレフで、「スイスなのに何故ベルギービール?」と思ったことを思い出しました。

アルファポリスで取り上げられたんですね。
おめでとうございます!!
これからも更新楽しみにしています。

>takapyonaさん
アルファポリスに取り上げられたのは、takapyonaさんをはじめ、読んでくださる方々のおかげです。どうもありがとうございます。
レフは、ニースを訪れたとき↓に初めて出会って以来、気に入って飲んでます。
http://travel.macbb.com/blog/2006/08/nice_eze.html
フランスやスイスでよく飲まれているようです。
レフが飲める『Cafe Leffe』というバーが、ストラスブール、コルマール、ミュルーズの各都市にありました。

takapyonaさんは、イースター前のバーゼルでお祭りに遭遇したのですね。フリブールよりも町の規模が大きいので、盛大だったことでしょう(*^_^*)
またサイトにおじゃまします♪

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