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2006年08月06日

06a) ナポリ → カプリ島 → ナポリ

ナポリ NAPOLI

 8月6日(日)
 7:30から朝食。朝食のパンは大きく美味。食堂にあるSHARPの液晶テレビに映った天気予報によると、今日のナポリは、最高29℃/最低21℃、天気・晴れ/曇り。昨日よりは過ごしやすくなりそう。

 今日も昨日と同じく、青の洞窟が入場可能かどうかを確認するため、カプリ島のインフォメーション(観光案内所)に電話をしてみることにしました。
 役割分担して、●●が部屋で荷物の整理をしている間、■■が公衆電話まで行って電話することに。Schilizzi Hotelのそばにも公衆電話が点在していましたが、どれもテレフォンカードしか使用できないタイプ。結局フェリー乗り場まで行って、昨日と同じ公衆電話から電話をかけました。ダイヤルは、081-8370634。
 ■■が「Today, Blue Caves is Open? Closed?」と尋ねると、電話の向こうの女性は「私は分からない。081-8375646に電話してみて。」と答えました。同じ場所に電話しても、昨日と今日で対応が全く違うのが、いかにもイタリア的。
 どこなのかはよく聞き取れませんでしたが、とにかく081-8375646にダイヤルして、再度「Today, Blue Caves is Open? Closed?」と尋ねると、「Open! Open!」と中年男性の声!

「えぇ~~!やってるの?!」

 ■■は大急ぎでホテルに戻り、青の洞窟が開いていることを●●に伝えました。
 そしてチェックアウトをし、2人リュックをフロントに預けてホテルを出発。


↑【左】朝食。  【右】ナポリからカプリ島に向かうフェリー船内。↑

 チケット売り場で、カプリ島行きのフェリーの切符を購入(ナポリ→カプリ島、1人片道14ユーロ、2100円)し、9:30出発予定の小型フェリーは、9:38にナポリ・ベヴェレッロ港出港。フェリーは順調に進み、10:25にカプリ島(マリーナ・グランデ)着。

カプリ島 CAPRI

 事前に調べた情報によると、カプリ島の青の洞窟に船で行くツアーを行っているのは、Laser Capri社と、Gruppo Motoscafisti社の2社。
 まずLaser Capri社のチケット売り場に行って、青の洞窟について尋ねてみると、今日は入場できるとのこと。電話の中年男性の声の調子がどことなく軽かったので、一抹の不安を抱いていた2人ですが、実際にカプリ島のチケット売り場で開いていると聞いて、うれしさが込み上げてきました。念願の青の洞窟に、いよいよ入ることができる日がきたのです!


↑カプリ島、マリーナ・グランデ。比類なき美しさ!

 Laser Capri社のチケット売り場は、■■たちが乗ってきたフェリーが停泊した場所のすぐそば、via Don Giobbe Ruoccoという通りが海岸(マリーナ・グランデ)沿いの道に面した北西の角地にありました。かなり小さな建物ですが、LASERCAPRI・GROTTA AZZURRAと書いてあるので容易に発見できました。カプリ島1周ツアーは、モーターボートの料金1人11ユーロ(1,650円)に加え、青の洞窟で手漕ぎボートに乗りかえる際は更に8.5ユーロ(1,275円、これは乗りかえる際に直接支払う)が必要だと説明されました。
 一方、Gruppo Motoscafisti社のチケット売り場は、フェリーが停泊した場所からVia Colomboを西に3分ほど進むとあります。港に建っているプレハブがそれなので、こちらも見つけるのは難しくありません。看板には日本語の説明も書かれていて、日本の団体ツアー客は、こちらを利用していました。カプリ島1周ツアーは、モーターボートの料金1人12.5ユーロに加え、手漕ぎボートに乗りかえる際は同じく更に8.5ユーロが必要とのこと。


↑【左】Laser Capri社のチケット売り場。  【右】愛らしいLaser Capri社のモーターボート。↑

 ■■たちは、団体客と同乗しなくてすみそうで、しかも料金が安いLaser Capri社のモーターボートに乗ることにしました。チケットを購入し、11:00出発予定の白くてかわいいモーターボートに乗船。観光客は25人程度でした。11:08、マリーナ・グランデのMOLO 23から出発進行!


↑【左】観光客が多くても、カプリ島の魅力は決して色褪せません。


↑岩の上にいるのは、人間ではなく銅像でした。

「やった~~!」
「夢みたい!今日も多分無理だろうと思っていたのに、まさか青の洞窟にいけるなんて!」
「風が気持ちいい~!」
「海がきれい~!もうすでに、かなりの青さだよ!」

 モーターボートは、カプリ島を時計回りに1周し、終盤で青の洞窟に入るルート。まずモーターボートが向かったのは、(おそらく)トラガラ岬。そして、続いては、青の洞窟ならぬ『白の洞窟(Grotta Bianca)』。白の洞窟は、海面が白く見えるわけではありません。岸壁が鍾乳石のような外観で、白く芸術的な様から、その名がついたのでしょう。

グロッタ・ビアンカ
↑【左】白の洞窟。  【右】色の境界がはっきりと分かりました。↑


↑自然界がこの色の引き出しを持っていたことに、感謝!

 それにしても…、
 どうしてでしょう、この胸の高鳴りは!
 なんなのでしょう、忘れかけていたこの気持ちは!

 海外旅行を人生に見立てるならば、学童期・思春期---何を見ても、何を食べても、それこそメトロの切符が1枚買えただけでも楽しく感じられた時期---を通り過ぎ、壮年期---豪華な教会や駅の装飾を見ても、イタリアのピッツァを食べても、昔ほどの感動がなく、どこか冷静な自分がいる時期---に入ったことを心のどこかで感じていた■■と●●。
 しかし、カプリ島を周るモーターボート上での2人は、思春期に舞い戻っていました。


↑天然のアーチ、アルコ・ナチュラーレ。

「あっ、海上に岩の門がある。あれがアルコ・ナチュラーレだ!」
「どんどん近づいていくよ!まさか、あの門をくぐるのかな?」

 波の力によって浸食されてできた天然のアーチ、アルコ・ナチュラーレ(ARCO NATURALE)をくぐるパフォーマンス。まさに門の中に入ったそのとき、海の色が微妙に変化するとともに、岩肌の形に切り取られた額縁の向こうに広がる青い海と青い空。お見事!


↑【左】ゲート・イン!  【右】高まる期待。↑

 そして、マリーナピッコラを見た後、モーターボートは緑の洞窟(Grotta Verde)へ。エメラルドグリーンに輝く海の色は、まさに自然の神秘。写真だからこのような色に写っているわけではなく、海が実際見たまんまこの宝石のような色でした。

グロッタ・ヴェルデ
↑緑の洞窟。


↑【左】灯台。  【右】モーターボートのスピーカーから、説明が…。↑

 灯台の横を通り、いよいよ念願の青の洞窟に着きました。
 青の洞窟内に入る手漕ぎボートと、順番待ちのモーターボートが数台。そして、陸路から来た観光客が階段に並んでいる姿もありました。
 憧れの青の洞窟は、目の前。


↑夢にまで見た青の洞窟。しかし…。

 そのとき、■■たちの乗っているモーターボートのスピーカーから、イタリア語と英語でまくしたてるような説明が聞こえてきました。放送の内容はよく聴き取れませんでしたが、乗客のイタリア中年女性が「マンマミーア。」と言うのが聞こえました。

 5分間ほど青の洞窟のそばで止まっていたモーターボートは、ふたたびエンジン音を上げて、東方向(時計回りの方向)へ。当然、青の洞窟からはどんどん遠ざかっていきます。
「あれ?どーいうこと?」
「まだ青の洞窟に入場していないのに、なんで出発しちゃうの?」

 まだこのときは「いったん違う場所を見たあと、再び青の洞窟に戻ってくるんだよね?」などと楽観的に考えたりしていましたが、モーターボートはスピードをまったく緩めず、12:20、とうとう出発地点のマリーナ・グランデまで戻ってきてしまいました。
 船が港に着くと、乗客はみな特に残念がる様子もなく、淡々とモーターボートを降りていきます。Laser Capri社の人に青の洞窟のことを聞くと、「Closed.」と答えました。待っている船や人がたくさんいたよと聞き返すと、「波が高くなってきたので、今から順番を待っても、青の洞窟はClosedになってしまうんだ。今並んでいた人たちも、入れない可能性が高いよ。」という返事。
 どうやら、青の洞窟前で停泊中に、この説明をしていたようです。女性が「マンマミーア。」と言った理由が分かりました。確かに、なんとなく波が高くなってきていた気はしましたが、それにしても、青の洞窟を目前にして、しかも並んでいる人もいたのに、■■たちにはどうして入場のチャンスが与えられないのか、心情的に到底納得がいくはずもありませんでした。

「あまりにも、ショックが大きすぎるよ…。」
「パリヌーロの青の洞窟に続いて、カプリ島の青の洞窟も見ることができないとは…。」
 無情。厳しい現実。最高の気分から、最低の状況への転落。まるで世界が終わったかのような絶望感。天国と地獄。
 だめもとで、Gruppo Motoscafisti社のチケット売り場にも再び足を運んでみましたが、こちらでも「波高なので、impossible。」と言われました。

 マリーナ・グランデ付近の建物の陰で立ち尽くしている2人に、バックパッカー風・口ひげの生えた青年男性が、日本語で話しかけてきました。

「日本人のかたですか?僕は今日到着したんですけど、どこかにいい宿がありませんか?」
「僕らはナポリの港から10分くらいのホテルに泊まっているので、カプリ島の宿はよく分かりません。」

 とても感じのよい男性だったのですが、茫然自失の■■はそう答えるのが精一杯でした。そっけない対応になってしまって申し訳ないと、あとから反省。
 でも実は、後日この男性と、フランスのある場所で偶然再会することになるのです!…しかし、このときの■■と●●はそんなことを知る由もありませんでした。


【右】ナポリへ戻るフェリー。背後にはカプリ島。↑

 このあとカプリ島を観光する気分にはとてもなれず、■■たちは結局、12:52カプリ島発のフェリーでナポリに戻りました。13:40ナポリ・ベヴェレッロ港着。

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コメント (2)

春日:

いつも心にヨーロッパ!
なんて素敵なタイトルなのでしょう。
私たち音楽家も 同じ心境です。
2006年に訪れたニースの鷲の巣村でしらべていたら、
第1位にランクされていて、見ました。
青の洞窟は 残念でしたね。
3回見ましたが、見られないこともあるのですね。
素敵なブログを続けて下さい!!!

>春日さん

はじめまして!コメントありがとうございます。
春日さんからコメントをいただいて、自分のブログを読み返したので、4年前の思い出がよみがえってきました!
2007年を最後に海外旅行をしていない私たち。
いつの間にか、「いつもこころにヨーロッパ」でなくなっていた(忘れかけていた)私たちのこころに、ULTRA BLUEのカプリ島は、強烈でした。
私たちよりもはるかに「いつもこころにヨーロッパ」な人が多数いるということも、春日さんのメッセージで再認識しました。
全然更新していないこのブログが検索上位になってしまうのは、何だか申し訳ない気がしますが、タイトルに負けないよう、こころだけはフレッシュに保ちたいと考えております。

     三浦綾子の「塩狩峠」を最近読んだ、管理人N

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