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2006年08月27日

27) モン・サン・ミシェル → サン・マロ → レンヌ → パリ

 8月27日(日)、モン・サン・ミシェルでの朝は6:30に起床。
 起きて15分後に、朝焼けを拝みに出発しましたが、あいにくの曇り空でした。さすがにこの時間、観光客はほとんどいません。風が昨日より弱いため、早朝にもかかわらずそれほど寒さは感じませんでした。

MSM朝焼け
↑【左】6:54。  【右】7:05。朝焼けに染まる雲↑

モンサンミッシェルの朝
↑7:19。ひっそり静かなモン・サン・ミシェルの朝。

キャンピングカー
↑7:28。キャンピングカーの一群。

「モン・サンから至近の場所でキャンプか~。これは贅沢だね~。」

 遠景を見ながら、しばし物思いにふける■■と●●。この旅で感じた降りそそぐ光も、時にじれったい移動手段も、手のひらに溢れそうなロマンスも、スローモーションの風景も、全てかけがえのない思い出です。


↑【左】昨夜21:29にはどっぷり浸水していたバス停。  【右】同じ場所。今朝、7:36。↑

 いったんホテルに戻り、有り合わせのものを食べたあと、9:15にチェックアウト。
 昼くらいまではここにいてもよかったのですが、9:30発(サン・マロ行き)のバスを逃すと、夕方(15:30発レンヌ行きか16:15発サン・マロ行き)まで路線バスがありません。島内は既に2周りほどしていて、遠景も十分愉しむことができたので、朝の路線バスでモン・サン・ミシェルを離れることにしました。
 インフォメーションに行ってバス停を訪ねると、昨日のバス停(島の入口・突出門前のバス停……以後、『通常のバス停』と呼びます)と同じと言われました。
 しかし実際には、この時間は満潮に近く、通常のバス停はかろうじて浸水していないものの、前方のゲートが柵でふさがれていて、いかなる車も乗り入れることはできなくなっていました。

「きっと、バスはここまで来れないよ。もう少し南のほうまで行かないと。」

 バスは、●●が予測したとおり、通常のバス停から2分ほど南へ進んだ道路の途中に停まっていました。しかも、バス停が変更になったという知らせは一切なく、そしてさらに不親切なことに、通常のバス停の位置からは、現在の場所に停まっているバスは死角になっていて全く見えないのです。


↑【左】朝の散歩。  【右】ポントルソン行きのバス。↑


↑バスは、駐車場の手前、この位置に停車して乗客を待っていました。

「そういえば、ソレントでも、メトロ・デル・マーレ(船)が大きな船の死角に停泊していて、危うく乗り過ごすところだったね。」
「あのときは セイレーンの誘惑だったけれど、今日は 天使の誘惑かなぁ。」

 白い路線バスは、予定どおり9:30に出発。昨日のレンヌからモン・サン・ミシェルまでのバスで一緒だった韓国人3人組(男性1人&女性2人)とまた乗り合わせたので、笑顔で挨拶♪バスの乗客は7人。
 モン・サン・ミシェル島を出発し、人工の堤防上の道を通り終えると、緑の草原に放牧されている羊の群れが!

「あ~~!かわいい~~!」
「羊がたくさんいるね~♪」

 しかしそれは一瞬のできごとで、カメラをポケットからから取り出す暇もありませんでした。

「さらば、シャッターチャンス!」

 モン・サン・ミシェルを出たとたん、雲が薄くなり、太陽の日差しが覗き込んできました。モン・サン・ミシェル周辺はいつも曇っているのでしょうか。
 今日まず、バスでサン・マロまで行き、それから電車でレンヌを経由し、TGVでパリまで行く予定です。
 モン・サン・ミシェルからサン・マロまで行くには、以下のようにバスを1回乗り換える必要があります。

 モン・サン・ミシェル 9:30発 → ポントルソン 9:45着(1.8ユーロ)
 ポントルソン 9:55発 → サン・マロ 11:15着(2.5ユーロ)

 ポントルソンの降りた場所でそのまま待っていると、すぐにサン・マロ行きのバスがやってきました。サン・マロまでの運賃は、合計4.3ユーロ(645円)。
 昨日のレンヌ → モン・サン・ミシェルのバス運賃は10.1ユーロ(1,515円)でしたから、その半額以下でサン・マロまで行くことができ、とてもお得な感じがしました。


↑【左】サン・マロ行きのバス。  【右】車窓から見た、ノルマンディーの海。↑

 ポントルソンからサン・マロまでの道は、右に海岸(砂浜)が続いていましたが、それほどの美しさは感じませんでした。

「コート・ダ・ジュールと比べて語るのはよくないと分かっているけど、やっぱりねぇ。」

サン・マロ SAINT MALO

人口約53,000人。要塞都市として栄華を誇った、ブルターニュ北岸第一の港町。

 サン・マロは城壁に囲まれた港町。その城壁の外側、サン・ヴァンサン門近くのバス停に、■■と●●が乗ったバスが停まりました。目と鼻の先にあったインフォメーションにまず立ち寄り、情報を入手。日本語版のパンフレットもあり、シンプルですがよいつくりでした。


↑【左】要塞都市、サン・マロに到着。  【右】この公園でランチ。↑

 1709年に完成したサン・ヴァンサン門を通り城壁の中へ。門の北側には、ジャン5世公爵によって15世紀に建設されたル・グラン・ドンジョン城がありました。現在は市役所としての役割を果たすル・グラン・ドンジョン城は、馬の蹄鉄の形をモチーフにしており、4隅の塔はフランソワ2世とその娘アンヌによって手がけられたものです。

サン・マロのル・グラン・ドンジョン城
↑右に見えるのが現市庁舎、ル・グラン・ドンジョン城。

 城塞都市のわりに道路が整然と保たれていて、迷うことなく歩くことができました。これは、1661年の大火災後に町を修復した際、曲がりくねった街路を広く直線的に直したからのようです。

「あっ、あのお店、プーラールって書いてあるよ!」
「プーラールおばさんのクッキーを専門に売る店だね。日本で言えば、温泉地のまんじゅう屋みたいなものでしょう。日曜日でも元気に営業中なのはご立派ですなぁ。」

 このような、ツーリスティックなショップ以外はしまっている店も多く、お昼はサンドイッチやデザートなどを買い、公園でランチ。すると、とても偉そうなスーツ姿のおじさん(+付き人)が歩いてきて、「ボナペティ(Bon appetit)!」と話しかけてきました。あなたにご馳走されたわけではないのに、どうしていきなりボナペティ(=どうぞ召し上がれ)なの?…などと野暮なことは考えず、笑顔で2コト・3コト会話すると、みんなハッピーな気分に♪


↑【左】通りすがりのコインランドリー。  【右】日曜日のサン・マロはにぎやか。↑

 その後、石階段を上って、街を囲む城壁へ。
 城壁は、ローテンブルクやオビドスのような細いものではなく、街の遊撃手・いすゞ ジェミニが併走して走れそうなくらい幅広の城壁でした。


↑【左】花崗岩でつくられた幅広で強固な城壁。  【右】「海は好きかい?」↑

 サン・ヴァンサン門を出て、東へ歩くこと10分。使われなくなった旧駅舎と線路がそのまま残っていて、そこからさらに10分東へ歩くと、新しくなったサン・マロ駅がありました。古い駅舎はそのうち取り壊すのでしょうか。


St Malo駅RENNESへGo!
↑【左】サン・マロ駅とうろこ雲。  【右】。↑

 あとは、サン・マロからレンヌまではローカル線(ter)で移動し、レンヌからTGVに乗ってパリまで行くだけ。レンヌ → パリ のTGV乗車券は、おとといの旅行記に書いたように、トゥール駅で購入しておきました。
 サン・マロ駅でも韓国人3人組と出会いました。彼らも今日パリまで行く予定でしたが、レンヌからパリまでのTGVの切符(当日券)を買おうとしたけれど、SOLD OUTで困っているとのこと。おとといの時点で、17時台から19時台のTGVはすべて満席でしたから、無理もありません。力になりかったのですが、何もしてあげることはできませんでした。
 レンヌまで、ローカル線で移動。サン・マロ始発なので車両はずっと停車していたものの、出発間際までエアコンが入らなかったので、切符売り場のソファでしばし休憩。

 サン・マロ駅 15:50発 → レンヌ駅 16:45着

レンヌ RENNES

人口212,000人。ブルターニュの中心地。

 昨日も訪れた町、レンヌ。昨日はモン・サン・ミシェルへのバスターミナルを探すのに夢中で、鉄道駅をじっくり見る余裕はありませんでしたが、改めてレンヌ鉄道駅を見てみると、なかなかの大きさ。
 なぜか駅の外にある切符売り場に行き、早い時刻(17:05発など)のTGVに変更できないか打診してみましたが、空席はなし。
 19:05レンヌ発のTGVならオーバーブッキングで売ることができると言われましたが、1時間の違いなので、もともと予約してあった 20:05レンヌ発のTGVでパリへ行くことにしました。

RENNES壁面アート
↑【左】レンヌの文化センター。  【右】町の壁面アート。↑

 レンヌの町は、とりたてて観光スポットがあるようにも思えなかったので、マクドナルドへ。おまけ付きのセットメニューを食べながら、旅の残り3日間をパリでどう過ごすかについて話し合っていたら、意外なほどあっという間に時間が過ぎました。

マクドナルドTGV
↑【左】マックの happy meal。  【右】TGV5号車。老朽化が進んでいます。↑

TGVSNCF
↑【左】いざ、麗しき花の都・パリへ!  【右】ボンジュール TGV!↑

 TGVは、予定どおりレンヌ駅を20:05に出発。
 沈まぬ太陽を背に、いざ、花の都へ。

パリ PARIS

 フランスの首都。旅人を魅了し続ける花の都。

 レンヌ駅 20:05発 → パリ・モンパルナス駅 22:40着

 TGV車内での検札は、ありませんでした。パリの6区にあるパリ・モンパルナス駅到着が間近になると、■■と●●は列車の出口付近へ移動。
 22:40、到着するとすぐに降り、左に向かって歩き、エスカレーターや動く歩道を通ってメトロ4番線へ向かいました。
 22:50、有人のメトロ切符売り場は幸いまだ開いていたので、クレジットカードでカルネ(Carnet)を購入。カルネとは、メトロの切符10枚セットのことです。切符は1枚ずつ買うと1.4ユーロ(210円)ですが、カルネ(10枚)は10.9ユーロ(1,635円)なので、約22%お得♪
 22:55、メトロ4番線、モンパルナス・ビヤンヴニュ駅のホームに行くと、すぐにメトロが来たので乗車。この時間なのに、人がかなり大勢乗っていました。さすがパリ。

 23:10、乗った駅から数えて12コ目の、東駅(ガール・ド・レスト Gare de l'Est)で下車。徒歩3分ほどで、この旅行でラストのホテル、グラン・オテル・ド・パリ Grand Hotel de Parisに到着。オテル・ド・パリとは言っても、モナコにあるような高級ホテルではありません。ここ、パリ10区にあるグラン・オテル・ド・パリは、約50室を持つ典型的な2ツ星~3ツ星クラスのホテル。パリは8月はオフ・シーズンなので宿泊料は少し安く、1泊1室51ユーロ(朝食なし)。

オテル・ド・パリ57号室
↑【左】パリ10区のオテル・ド・パリは、東駅から徒歩3分。  【右】57号室。↑

 57号室は、上の部屋の足音や水道を使う音がうるさく、あまり快適ではありませんでしたが、かなり疲れていたので、入浴だけして1:00ごろ就寝。

「明日朝イチで、部屋を変えてもらおうね…。おやすみ…。」

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