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2006年08月07日

07a) 船中泊 → パレルモ

 8月7日(月)。
 Tirrenia社のフェリーはほとんど揺れもなく、寝心地は抜群でした。
 フェリーは6:00パレルモ着予定でしたが、予想どおり遅れて7:10到着。ただ、早く到着しすぎても困るので、遅れてよかったです。そのぶんよく眠れました。


↑【左】パレルモ港に到着。  【右】楽しかった客船ともお別れ。↑


↑【左】船内の廊下。  【右】サン・ドメニコ教会を見たのは1度目。↑

パレルモ PALERMO

人口約670,000人。『文明の交差点』の異名を持つ、シチリアの州都。

 港に着き、いつもどおり現地の人に道を尋ねながら道を歩いていったのですが、問題が2つ。1つは、ソレント以来の荷物を持ちながらの大掛かりな移動で、体力の消耗が激しかったこと。そしてもう1つは、現地の人に道を尋ねてもまったく英語が通じなかったことです。
 ナポリやアマルフィでは意外と英語が通じる人が多かったのですが、パレルモで英語が通じたのは、観光案内所とバスのチケット売り場くらいでした。

 街は、シチリア島独特の雰囲気。うまくは言い表せませんが、熱帯植物と、ほこりっぽさと、さまざまな建築様式と…。『文明の交差点』とは、なんと上手にパレルモを言い表した言葉でしょう。トルコやエジプトに居るのではと錯覚するような感じもあり、中近東(行ったことありませんが)に似ているような印象も受け、もちろんイタリアっぽい部分もあり…。


↑【左】考古学博物館。  【右】カフェのアランチーニ。↑

 さて、■■と●●はローマ通りを南下し、考古学博物館サン・ドメニコ教会を見たあと、ヴッチリア市場へ。■■はシチリア島で、アランチーニ牛モツのパニーノを食べたいと思っていたのですが、朝早かったせいか、ヴッチリア市場には売っていなくてがっくり。

 それから、ヴィットーリオ・エマヌエーレ大通りを西に向かって歩き、疲れたのでカフェで休憩(8:15~8:40)。

「アランチーニ(ライスコロッケ)が1.5ユーロ(225円)かぁ。シチリア島って、もっと物価が安いと想像していたけれど。」

 サレルノでは0.7ユーロで売っていただけに、ちょっとびっくり。でも、ここの店のほうが大きいし美味しそうだったので買うことに。アランチーニは、肉入り(円形)とモッツァレラ入り(楕円形)の2種類あったので、モッツァレラ入りwoチョイス♪ 味ナイス♪ ターメリックライス♪

 休憩後、更に西へ。ヴィットーリオ・エマヌエーレ大通りとマクエダ通りが交わる交差点、クアットロ・カンティを抜け、また500mほど西へ歩くと、右側にカテドラーレ


↑シチリアン・バロック様式のクアットロ・カンティ。


↑ノルマン様式のカテドラーレ。

「ここは何となくポルトガルっぽいね~♪」
「分かる!リスボンのベレン地区を髣髴とさせるね。」

 カテドラーレを過ぎて西へ進むと、通り沿い左側(ヴィットリア広場付近)にボックス型のインフォメーション(観光案内所)があったので、そこで地図をもらいました。
まず、本日午後の目的地、シラクーザ行きの長距離バス(プルマン)乗り場の場所を教えてもらいました。それから、路線バス(循環電気バスなるものが走行しています)についての説明を受けましたが、パレルモはこのように見どころが点在しているので、路線バスには乗らずに徒歩で進みました。


↑【左】カテドラーレ。  【右】ヴィットリア広場付近の観光案内所。↑


【右】ノルマン王宮内部のパラティーナ礼拝堂。↑

 9:30、ノルマン王宮+パラティーナ礼拝堂(ノルマン王宮の2階に、パラティーナ礼拝堂があります)に到着。入場料は1人6ユーロ(900円)。
 パラティーナ礼拝堂は、ヨーロッパ3大モザイク芸術の1つとガイドブックに書いてあったのですが、入場してみると、悪い意味で期待を裏切られました。正直、アヤソフィア(イスタンブール)のモザイク装飾と比べると、かなり見劣りしました。その上酷いことに、モザイクを含め、大部分が修復中+改修工事中。修復作業のの足場に布切れのカーテンが掛かっていたり、床のタイルを結構雑に削って修復している人がいたり。
 その上、ちょうど団体ツアー客(欧州人)がいて混雑していたため、熱くて苦しかったです。なぜ6ユーロを支払った上に、こんな苦しい目に逢わなくてはならないのでしょう。ノルマン王宮の3階は係員(ガイド)といっしょに部屋をまわらなくてはいけないので、3階へ上がる部分の階段で15分ほど待たされました。
 3階には意外に多くの部屋があり、中には目を見張るところもありましたが、お粗末な修復を施している壁画などもあって興ざめ。


↑【左】ノルマン王宮。  【右】ノルマン王宮3階のガイドさん。↑


↑【左】ルッジェーロの間。  【右】テープを張っただけのお粗末な修復。↑

 3階を見終わって、出口に向かってしょんぼり歩いていると、ノルマン王宮1階の展示フロアで、現代美術作品の企画展が催されているのを発見しました。

「なんだろう、ここ。」
「きれいだね、行ってみよう。あっ、この部屋だけ冷房が効いていて涼しい!」

 企画展では、現代アートに混じって パブロ・ピカソの作品が展示されていました。わずか2作品のみでしたが、無骨で粗野なイメージのパレルモにあって、このおもてなしはとても気が利いていると感じました。


↑【左】現代アートの企画展。  【右】印象深い作品。↑


↑【左】久々の生ピカソに興奮。  【右】右手はドラえもんの手。↑

「6ユーロは高いと思ったけれど、ピカソが見れてよかったね♪」

 10:45にノルマン王宮を出て、それから長距離バス乗り場へ向かいました。途中でバッラロの市場を通ろうと考え、細い路地(Via Porta Di Castro)を通っていきました。バッラロの市場にも、残念ながらモツのパニーノや生ウニは売っていませんでした。

バラッロの市場
↑【左】バッラロの市場。  【右】右はナスで、左は……何?↑

「市場で売っている魚の目が、死んでいるよ。」
「鶏肉には、ハエがたかっているなぁ。」

 バッラロの市場は、長居したくなるような場所ではなかったので、長距離バス(プルマン)乗り場へ向かいました。
 長距離バス乗り場は、鉄道パレルモ中央駅東側のヴァルサモ通り(Via Valsamo)にありました。乗り場に面して切符売り場(INTERBUS社)があったので、『パレルモ発 → シラクーザ着 (所要3時間30分)』の切符を購入。1人14ユーロ(2,100円)。切符売り場にはイスが7~8個あったので、少し座って休憩。


↑【左】長距離バスの切符売り場。  【右】パレルモのごく一般的な路地。↑

 その後、駅周辺をうろうろしていると、ヴァルサモ通りの鉄道駅側の角にある半畳ほどの青いプレハブで、なんと牛モツのパニーノが売られているではありませんか!
 ここは牛モツ専門店で、さっそく注文。牛モツのパニーノ(2ユーロ、300円)。プレハブの中はおじさんが1人で切り盛りしていて、その周囲のガードレールでは、常連っぽい若い男性が、レモンを半分にカットした上に牛モツが何枚か乗っているものを食べていました。おそらく裏メニューなのでしょう。その男性は、ちゅ~っと吸うように食べながら、■■に対して「ボーノ♪(美味しいよ~)」とジェスチャーで示してきました。
 店のおじさんは「写真を撮りなさい。」と言うので、何枚か撮影。サービス精神が旺盛です。作りかたは、

(1)まず牛モツを包丁で薄切りにし、秘伝の汁につけます。
(2)レバーを、ゴマつきパニーノの周囲に並べて乗せます。
(3)よく煮込んで汁がしみた牛モツを、パニーノの中央にたっぷり乗せます。
(4)レモンを絞って、牛モツの上にかけます。
(5)アラ塩を、牛モツの上に無骨にふりかけます。
(6)上からパニーノではさみます。(ハンバーガーのような形状のパニーノ)
(7)仕上げにぎゅっとパニーノを押し潰して、牛モツから出る汁をパニーノにしみこませたら、完成!


↑【左】アラ塩を振っているところ。  【右】念願の牛モツのパニーノ。↑


↑「マンジャーレ!」と伝えると、大盛りにしてくれました♪

 作る行程を見ているだけでも、ホルモン好きにはたまりません。このようにして、牛モツのパニーノが完成しました。さっそく食べると、初め(端)はレバーなので「あれ?」と感じましたが、中央の牛モツに到達すると、いっきに幸せになりました。レモンとモツが、こんなに相性がよいとは!しかもパニーノがゴマつきで香ばしく、きちんと温まっていて(あの半畳のボックスの中の、どこで温めていたのでしょう?)最高! 注意すべきは、食べているうちに汁が下に垂れてくるので、ズボンを汚さないよう気をつけることくらい。
 ちなみに、この牛モツのパニーノのお店、12:50に再び前を通ったら、閉まっていて無人になっていました。■■が注文した時点で牛モツは残り少なくなっていたので、おそらく完売で閉店になったのでしょう。

「パレルモ万歳!」

 州都だけに車も人も多く、まぶしい夏の日差しは強く、歩き疲れてしまったパレルモですが、まるで別の国に来たように新鮮でした。

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 プルマンPullmanとは、長距離バスの意。午後は、14:30発のプルマンでシラクーザに向かいました。(→ To Be Continued)

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