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2006年08月15日

15) ラ・スペツィア → ジェノヴァ

ラ・スペツィア LA SPEZIA

 8月15日(火)。旅行15日目の朝。6:00起床。
 Albergo Il Soleの朝。宿泊費をクレジットカードで払おうとすると、「クレジットカードの機械がちょうど『昨日』壊れたので現金で支払ってくれ。」とフロントで言われました。
 しかし、「機械が『昨日』壊れた。」と言われたのは、今日が初めてではありません。昨日も一昨日も、同じことを(それぞれ別の人から)言われたのです。その度に支払いを保留し、今朝まで引き伸ばしていたのですが、まさか3日連続で「『昨日』壊れた。」と言うとは……。
 どうせなら、もっとうまい嘘をつくか、「手っ取り早く現金が欲しい、そしてカード会社への手数料を払うのが惜しい。」と正直に言って欲しいものです。
 1室1泊45ユーロ(6,750円)で、2泊したため90ユーロ(13,500円)。90ユーロの現金がいっきに無くなってしまうのは痛手でしたが、仕方なく現金で支払いました。

 6:40にAlbergo Il Soleを出発し、ラ・スペツィア・チェントラーレ駅に向かいました。

 本日の行き先はジェノヴァ。
 7:12、ラ・スペツィア・チェントラーレ駅発、ジェノヴァ行きの電車は、時刻表どおりに出発しました。かなり朝早く起きましたが、この電車を逃すと次は10:00までジェノヴァ行きの電車がないので、早起きは賢明な判断だったといえるでしょう。

ジェノヴァ GENOVA

リグーリア州都。人口706,000人。歴史と再生の同居する誇り高き港町。

 ジェノヴァには、ジェノヴァ・プリンチペ駅とジェノヴァ・ブリニョーレ駅という2つの駅があります。■■と●●は、9:11、本日のホテルから近いブリニョーレ駅で下車。


↑【左】ジェノヴァのサン・ヴィンチェンツォ通り。  【右】マクドナルドのCono。↑

ジェノヴァ ジェノヴァ・ブリニョーレ駅で明日の切符を購入したあと、9:45にホテルに向かって出発。人通りがまばらなサン・ヴィンチェンツォ通り(Via San Vincenzo)を歩き、徒歩8分ほどでHotel Soanaに到着。Hotel Soanaは、サン・ヴィンチェンツォ通りと9月20日通り(Via XX Settembre)がちょうど交差するところにありました。ここは、ローマやサレルノのホテルと同じく、4階の1フロアーだけがホテルになっているタイプ。

ジェノヴァ リュックを背負ったままだと、2人でも窮屈なくらい狭いエレベーターで4階まで登りました。イタリアのエレベーターは、もともとあったらせん階段の中央にエレベーターを増築したタイプのものが多いので、らせん階段の中央吹き抜けの広さによって、設置できるエレベーターの大きさが決まってしまうのです。
 今朝のラ・スペツィアのフロントでの1件があったあとなので、少し身構えてしまいましたが、フロントの初老の男性は優しくて助かりました。ジェノヴァの地図をもらい、ペースト・ジェノヴェーゼが食べたいと言っておすすめのレストランを聞いたら、2 Torriというレストランと、Breraというセルフのレストランを教えてくれました。ただし、本日8月15日(火)は、聖母被昇天祭というイタリアの祝日。開いているかどうかは分からないとのこと。
 リュックをフロントに預け、10:10に観光出発。どうやら、閑散としていたのは、サン・ヴィンチェント通りだけではなかったようです。9月20日通りのお店も軒並み閉まっていて、開いていたのはマクドナルドだけ。ナポリのマクドナルドでも食べたCono(ソフトクリーム、0.6ユーロ、90円)を買いました。店員が大盛りサービスしてくれてラッキー♪アメリカ文化の象徴、マクドナルドとコカコーラは、国籍を問わずどこでも大人気。ジェノヴァのマクドナルドも、若者でいっぱいでした。

母を訪ねて三千里 長かったイタリア道中最後の観光地、ジェノヴァ。単にクールダウンするための街になるのでしょうか、それともラストで新たな感動があるのでしょうか?そして、東リヴィエラきっての豪華バカンス地、ポルトフィーノやサンタ・マルゲリータ・リグレではあえて途中下車せずに、ラ・スペツィアから直接ジェノヴァを訪れた判断は、正しかったのでしょうか?
 その答えは、この街でおのずと見つかるはず。そう、『母をたずねて三千里』のマルコ少年が暮らしていた街・ジェノヴァ。


↑【左】9月20日通り。  【右】フェラーリ広場のドゥカーレ宮殿。↑

 さらに9月20日通りを西へ進むと、フェラーリ広場にぶつかりました。ここは、ジェノヴァを代表する広場で、アールヌーヴォー調の建物、そしてドゥカーレ宮殿アカデミア宮殿がありました。広場に点在する噴水のしぶきがミクロ微粒子となり、■■と●●の額をかすかに湿らせました。


↑【左】ドゥカーレ広場のテアトロ・カルロ・フェリーチェ。  【右】ガリバルディ通り。↑

 細い路地に入り、サン・マッテオ教会を観たあと、ガリバルディ通り(Via Garibaldi)へ。ここは、ジェノヴァ自慢の宮殿が密集している通りであり、2001年7月のジェノヴァ・サミットの前に改修されてからはさらに美しくなったそうです。
ドーリア・トゥルシ宮殿赤の宮殿白の宮殿。これらの豪著な建造物は、ジェノヴァがイタリア観光の単なる脇役ではないこと――少なくとも、木村多江や佐々木蔵之介クラスの脇役であること――を物語ってくれました。


↑ドーリア・トゥルシ宮殿。↑


↑【左】白の宮殿。  【右】赤の宮殿。↑

 さらに北西へと足を進めると、11:30、サンティッシマ・アンヌンツィアータ・デル・ヴェスタート教会がありました。この教会は、17世紀ジェノヴァ風の重厚な建造物で、第2次世界大戦の爆撃で全壊し、そのあと再建されたものです。トロンプ・ルイユ(騙し絵)の丸天井があり、さらに柱や壁面の1つ1つがこの世のものとは思えないくらいの精細な美しさでした。


↑【左】外観は質素なアンヌンツィアータ教会。  【右】その内部。↑

アンヌンツィアータ・ヴェスタート教会
豪著で繊細!サンティッシマ・アンヌンツィアータ・デル・ヴェスタート教会↑。

アンヌンツィアータ・ヴェスタート教会
↑遠近法が完璧で、思わず見間違う丸天井のトロンプ・ルイユ(騙し絵)。

「アンヌンツィアータ教会は、この旅行中に見た教会の中では、群を抜いて素晴らしいね!」

 アンヌンツィアータ教会は、■■と●●が内部に入った直後、入口を閉鎖し、観光客が入れない体勢になりました。昼休みに入るからでしょうか。教会内部を見ることができて、本当に幸運でした。

ジェノヴァのメトロ
↑【左】ジェノヴァのメトロ、Darsena駅。  【右】メトロの車内。↑

 それから、バルビ通りの大学宮殿と王宮をさらっと観たあと、海岸沿いの通りに出て、メトロのDarsena駅から、ジェノヴァのメトロに乗車。1駅のって、San Giorgio Acquario駅で下車。この付近には、駅の名のとおりサン・ジョルジョ宮殿水族館(Acquario)がありました。
 1992年の万国博覧会開催を期に、古かった港はPorto Expo(万博の港)と名を変え、水族館を中心に、Il Bigo(展望タワー)、レストラン、ショッピングセンターなどが集まる人気スポットに変貌しました。この周辺は、祝日にもかかわらず、お店は概ね営業していました。■■たちは入りませんでしたが、水族館も開いていました。


↑Porto Expo(万博の港)と、Il Bigo(展望タワー)。


↑【左】Acquario(水族館)。  【右】ランチはやっぱり、ペースト・ジェノヴェーゼ♪↑

 13:30、Il Bigo(展望タワー)の目の前にあるBar Il Bigoというバールに入り、ペースト・ジェノヴェーゼのスパゲティ(5ユーロ、750円)を注文。
 オープンデッキでジェノヴァの港を眺めながら食べるジェノヴェーゼは、バジリコと松の実とオリーヴオイルとパルミジャーノチーズが程よく混ざった、爽やかな味でした。

 午後は、フニコラーレ(ケーブルカー)・Zecca-Righi線に乗って、ジェノヴァの丘の上へ。15:00に、ゼッカ広場を出発した赤いフニコラーレは、13分で丘の上に到着。ここからは、残念ながらジェノヴァの港はあまり見えませんでしたが、北側の山々を見ることができました。


↑【左】ジェノヴァのフニコラーレ。  【右】最上のリギ駅で、日向君ポーズ。↑


↑【左】ワンマン運転のフニコラーレ。  【右】北側の山々。↑

 15:40にフニコラーレに乗って下山。城の宮殿の西側の道から歩いて階段を登って、城(Spianata Castelletto)まで行きました。正直、どこに城があるのかはよく分かりませんでしたが、ここの展望台からはジェノヴァの旧市街と港が一望できました。


↑Castellettoの展望台から、ジェノヴァ全景が見渡せました。


↑地中海が広がっていました。

赤くない屋根の街並みは新鮮だね♪」
「ここからコロンブスやマルコ少年が旅立ったんだね~。」

 ここからエレベーターで下り、ポルテッロ広場へ。そこからネグロ公園。坂道が続き、体力が限界に近づきました。


↑【左】エレベーター乗り場。  【右】再びフェラーリ広場へ。↑


↑フェラーリ広場から眺めた景色を、展望台からの景色とダブらせた2人。

 4月25日通りを南下してフェラーリ広場に戻りました。ドゥカーレ宮殿に面したサンタンブロージョ教会には、ルーベンスの2枚の絵がありました。


↑【左】サン・ジョルジョ宮殿。  【右】サンタンブロージョ教会、ルーベンスの絵画。↑


↑【左】ツインタワーのソプラーナ門。  【右】コロンブスの生家。↑

 ツインタワーのソプラーナ門を通って、コロンブスの生家へ。コロンブスの生家は、18世紀に復元されたものでした。クリストファー・コロンブス。イタリア名は、クリストフォロ・コロンボ。思い込みの激しい天才、コロンブスのように生涯こどもの心を持ち続けて生きることができたら、(それが正しいか否かは別として、)どんなに楽しく充足感がある人生となるでしょう。

「ジェノヴァは、見どころがいっぱいあったね♪ナポリやリスボンに似たような港町独特の誇り高い空気というか、いい意味でのソトヅラのよさというか、そういうものをかんじさせてくれた街だったね。」
「ミラノよりもよっぽど見どころが多いんじゃないかな。」
「今日は、ポルトフィーノやサンタ・マルゲリータ・リグレには寄らなくて正解だったかもね。」

 17:40、歩き疲れてHotel Soanaへ戻りました。帰り道にマクドナルドのConoをもう一度食べようとしたら、ソフトクリームの機械が故障していて販売中止になっていたのが残念。コロンブスだったら、こんなとき激昂して店員に襲いかかるのかもしれませんが……。


↑【左】一目では分かりづらい、Hotel Soanaの入口。  【右】イタリア最後のホテル。↑

 Hotel Soanaのフロントで、預かっておいてもらったリュックを受け取り、部屋へ。早めに到着したため、ベッド部屋のほかに書斎部屋がある、ナイスな部屋でした。1泊1室65ユーロ(9,750円、朝食なし)。
 今日で、この29泊31日の一大旅行も折り返し日。そして、イタリア滞在最後の日です。

「今までの旅行と違って、『もう半分終わった』という感覚ではなく、『まだ半分も残っている』という気分だね~。」
「ほんとだね~。」

 しばし、ホテルで小休止したあと、20:00から21:30まで、夜景を見に万博の港を再び訪れました。ロマンティックな港は、レンツォ・ピアノの再開発計画の賜物。レンツォ・ピアノは、地元ジェノヴァ出身の建築家で、安藤忠雄氏と親交が深い建築家。パリのポンピドゥーセンターや、関西国際空港を手がけたことでも有名です。


↑夜は別の顔を持つPorto Expo(万博の港)。近くには日本食のレストランもありました。


↑ロマンティックな港は、レンツォ・ピアノの再開発計画の賜物。↑


↑黄金に光り輝くフェラーリ広場。メトロの乗り場もあります。

 ジェノヴァのメトロは、なぜか21:00そこそこで終電になってしまうのですが、運良く終電に間に合い帰ることができました。
 こうして、イタリア滞在最後の夜は、ペースト・ジェノヴェーゼの後味と同じくらいすがすがしく過ぎていきました。しかし、明日から始まる、新しいストーリーに対する期待と不安、そして蓄積されたアン・ニュイっぽくないイタリアン疲労。旅行を総括する余裕は、このときの■■と●●には、あろうはずがありませんでした。

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» 中心はここ、フェッラーリ広場 送信元 あちこちと海外へ旅行に
ジェノバの中心にあるフェラーリ広場です。いい写真が撮れているとは思うのですが。。。

コメント (4)

こんにちわ。リンク辿りで流れてきました。ジェノバのport Expoはフランスに行ったものの、なんだかおもしろくなくて高速道路がつながってるじゃんという理由でジェノバに脱出した思い出があります。魚料理食べまくって、細い街路やら美術館やらを訪ねましたが、いかんせん思いつきで行ったのであまり堪能できませんでした。旅行記を見て結構みどころがあることを知って、もう一回行きたいと思います。。

けんろーさん、はじめまして。
書き込みありがとうございました♪
けんろーさんは、イギリスなどでの生活経験があるのですね。
ジェノヴァは、意外に見どころがいっぱいあって、飽きることがありませんでした。特にアンヌンツィアータ教会の豪著さに感激しました。そして、この教会が大戦後に修復されたものだと知ってさらに感動。私たちは1泊だけの滞在でしたが、2~3日いればその分だけ楽しめるような印象の街でした。
周辺の都市も魅力的なところが多いので、機会があれば訪れてみてください♪
それでは失礼いたします。

mona:

はじめまして。エジプトから遊びにきました。
夫婦で世界旅行は私たち夫婦の夢でもあります。海外添乗員をしていたお陰で私は世界中を旅しましたが、夫はまだまだこれからですので。
仕事で行ってみる景色と、夫婦や気の置けない友と出かけて見る景色とでは、同じ物でも感動が違いますよね。
今度は中東も旅してみて下さいね。お待ちしてます。

monaさん、アッサラーム・アレークムです♪
monaさんのブログは、等身大で本音がうかがえるところが非常に面白く、読ませていただいています。
実は今年5月に、某旅行社のエジプトとトルコがセットになったツアーを利用して、カイロ、ギザ、アレキサンドリアを訪れました。旅行記は、イタリア・フランス編が終わってから更新する予定です。ごめんなさい(-_-)。
エジプトで印象に残ったのは、ピラミッド、スフィンクス、そしてあのすさまじい交通事情でした。駆け足のツアーだったので、またいつか訪れたいと考えています。
monaさんご夫婦も、世界旅行はもちろん、『コロッセオが見える家』『ドゥオーモが見える家』をめざしてください♪

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