HOME  サイトマップ  メールを送る  total  yesterday  today

2006年08月13日

13a) フィレンツェ → ピサ → ラ・スペツィア

「間違ってもピサの斜塔を直立させてはいけない。そんな姿を見るよりは、いっそ崩壊する塔を見て在りし日の斜塔を偲ぶ方がよい。」
 --美術史家 ヴィットリオ・スガルビ--

フィレンツェ FIRENZE

 6:30、起床。朝食は7:30からの予定でしたが、7:15からOKと言われました。気さくなフロントのお兄さんを、泊まり客の男性(若者)がコーヒーカップを落っことすフリをして驚かそうとしていました。Hotel Montrealは、フィレンツェSMN(サンタ・マリア・ノヴェッラ)駅まで徒歩5分かからない場所でありながら、それほど騒がしくない好立地でした。

ホテル・モントレアル
↑【左】Hotel Montrealで朝食。  【右】SMN駅の自動券売機。↑

 今日は、午前中ピサを観光し、午後はラ・スペツィアという街に向かう予定。ピサ駅は、フィレンツェとラ・スペツィアのほぼ中間にあるので、切符は別々に買うよりもフィレンツェSMN駅からラ・スペツィア・チェントラーレ駅までのもの(1人8.7ユーロ、1,305円)を購入した方がお得でした。

トスカーナ ピサの見どころ、斜塔、ドゥオーモ、洗礼堂などは、ドゥオーモ広場に集まっています。
 フィレンツェからピサに鉄道で移動して、ピサ・ドゥオーモ広場を観光する場合、次のルートで行くのが一般的です。

フィレンツェSMN駅
 ↓(鉄道1時間)
ピサ・チェントラーレ駅
 ↓(バス8分)
ドゥオーモ広場そば

 実際この日も、■■と●●以外の観光客はほぼ全員、ピサ・チェントラーレ駅で鉄道を下車してバス停へ歩いていきました。
 しかし、『いつもこころにヨーロッパ』おすすめの行き方は以下のルートです。

フィレンツェSMN駅
 ↓(鉄道1時間)
ピサ・チェントラーレ駅
 ↓(鉄道3分)
ピサ・ロッソーレ駅
 ↓(徒歩7分)
ドゥオーモ広場

 ピサ・ロッソーレ駅まで鉄道で行くこのルートのいちばんメリットは、バスに乗らずにドゥオーモ広場のそばまで行けるところです。バスはスリが多いらしく、土曜・日曜は本数が非常に少ないため、できれば利用したくないところ。
 また、鉄道のダイヤは事前に調べやすいのもメリットでしょう。
 ■■たちは、あらかじめ昨日フィレンツェSMN駅の自動券売機で切符を購入する際、ダイヤを調べておきました。自動券売機を使用すると、詳しく検索できました。

 さて、8月13日(日)8:27、フィレンツェSMN駅の1番ホームを出発。なぜか、定刻よりも30秒ほど早く出発してしまいました。
 9:31、ピサ・チェントラーレ駅到着。先ほど述べたように、ほとんどの観光客はここからバスに乗り換えてきました。
 ■■たちはここからピサ・ロッソーレ駅方面に向かう電車(9:50発・ルッカ行)に乗り換えようと、その電車のホームを探しました。駅員は「7番ホームだよ。」と言っていたものの、その後場内放送があって、どうやらホームが変更になったよう。英語の放送もあり「プラットフォーム・ツー」という単語が聞き取れたので2番ホームに行ってみましたが、電車は来ません。

「妙だなぁ。9:50まであと3分だけど、電車が来ていないとは。」

 周りをよく見渡すと、1番ホームのさらに奥(北西側)に、増設されたホームが2本あり、その増設された2番ホーム(2 OVST ホーム)に電車が停車していたので、あわててそこに行き、乗車しました。


↑【左】9:50、ピサ・チェントラーレ駅出発。  【右】9:53、ピサ・ロッソーレ駅着。↑

 電車は9:50定刻ぴったりに出発。そして、9:53にピサ・ロッソーレ駅到着。ここから歩いてドゥオーモ広場へ向かいました。

ピサ PISA

トスカーナ州。人口98,000人。ピサのドゥオーモ広場は、1987年世界遺産登録。

 早朝のつもりでしたが、すでに10:00を過ぎようとしていたので、日曜日のドゥオーモ広場は観光客でいっぱい。


↑【左】ドゥオーモ広場、西側の門。  【右】洗礼堂、ドゥオーモ、斜塔が一視野に。↑

 西側の門からドゥオーモ広場に入ると、緑のじゅうたんの上にロマネスク様式の傑作建築が3つ。西から洗礼堂、ドゥオーモ、斜塔。

洗礼堂(Battistero)は、低層はピサ・ロマネスク様式、小尖塔のある上層とドームはゴシック様式。

洗礼堂バッティステロ
↑14世紀に完成した洗礼堂。↑


↑宝石箱とも形容される、複数の建築様式が融合した洗礼堂。

 ドゥオーモ(Duomo)はロマネスク建築の代表作であり、トスカーナの他のロマネスク教会のモデルとなっています。斜塔ばかりが有名なピサですが、洗礼堂とドゥオーモの存在がなければこのドゥオーモ広場の魅力は半減してしまうでしょう。

大聖堂のファザード
↑【左】ドゥオーモ。  【右】洗礼堂(左)とドゥオーモ(右)。↑


↑斜塔とドゥオーモ。撮影する角度によって、その魅力もまた変化します。


↑【左】ファザードが印象的なドゥオーモ。  【右】カンポサント(納骨堂)の彫刻。↑

「早くも斜塔に登っている人がいるね~。」

 斜塔(Torre Pendente)に入れるのは、一度に40人まで。斜塔を登る見学はかなり人気があり、この日もチケットオフィスはかなり混雑していました。斜塔への入場チケットは、日本からインターネットで予約をしていくこともできます。『ヨーロッパ旅日記』というサイトで、ピサの斜塔の入場方法について詳しく説明されているので、ご参照ください。


↑【左】斜塔の説明が書かれた看板。


【右】三毛猫が、斜塔へ向かってお散歩していました♪。↑

 ■■と●●はリュックを背負っていたため、高さ55メートルの斜塔を登るのは無理と思われたので、斜塔には登らず、地上で記念写真を撮影。傾いている斜塔を手で支える定番ポーズ♪このポーズは万国共通で、■■と●●の他にも、気合を入れて斜塔を支えている人が多数いました。


↑「南側に5度30分の傾きを持つ斜塔を支えなければ!」↑

 このドゥオーモ広場は、別名ミラコリ広場(=奇跡の広場、Campo dei Miracoli)。あまりにも美麗で、どこか現実離れした感のあるこの広場は、奇跡の広場と異名をとるだけのことはありました。
 ヴェネツィアのサン・マルコ広場、シエナのカンポ広場とならんで、イタリアを代表する広場であるピサのドゥオーモ広場。これらの広場は全て趣きを異にしているので、どこがいちばん美しいかという論争にはあまり意味がありません。


↑【左】奇跡の広場。  【右】入場券を売る、チケットオフィス。↑

 ドゥオーモ周囲を取り囲むように階段が数段あり、そこに観光客がこしかけてひと休みしているので、■■たちもそこに腰掛けました。すると、足元に、ピサのパンフレットが置いてあったので、それを見てみると、なんとパンフレットの間に、洗礼堂、ドゥオーモ、カンポサント、シノピエ美術館の共通入場券(2人分)がはさまっていました!

「こっ、これは共通入場券!」
「さっきまでここに座っていたカップルが、忘れていったのかな?」

 しばらくすると、猛ダッシュで欧米の男性が近づいてきました。さっきまでここに座っていた人で、非常に慌てた口調で「ここにチケットは置いてなかった?」と聞いてきたので、忘れ物を渡しました。男性は軽く礼を言って、遠くで不服そうな顔をして待っている女性のところへ駆け足で戻っていきました。

「第一発見者が、僕らのような善良な人でよかったですなぁ。」


↑【左】緑のじゅうたん。  【右】駅へ向かう道からも、斜塔が見えました。↑

 その後もしばらくそこでのんびりしていました。ラ・スペツィア行きの電車の時間が近づいてきたので、再び徒歩でピサ・ロッソーレ駅まで行き、13:13着、13:15発の電車に乗りました。

にほんブログ村 旅行ブログへ- 旅行ブログ・ランキングへ投票 -
 奇跡の広場あとにして、午後はラ・スペツィアから、世界遺産のポルトヴェーネレに向かいます。ランキングに協力してくださる場合、クリックをお願いいたします♪

トラックバック

トラックバックURL : http://travel.macbb.com/blog/mt-tb.cgi/179

この一覧は、次のエントリーを参照しています: 13a) フィレンツェ → ピサ → ラ・スペツィア:

» トスカーナ…美食の伝統。 送信元 ベアビールの格安海外旅行指南
フィレンツェのウッフィツィ美術館近くにある「トラットリア・アニタ」でたべたトスカーナ風リゾットのあのおいしさは今も忘れられない。 一口たべただけで柔...

コメント (16)

はじめまして。 西欧へあまり行かない私ですので興味深く拝見させていただきました。 ピサの斜塔、行きたいですね。 よろしけば私のブログにもお立ち寄りください。

-nakamura-さん、はじめまして。
コメントありがとうございました。-nakamura-さんは、アフリカ、中東、オセアニアと、いろいろなところを訪れていますね。これから貴サイトに遊びにいこうと思います♪
これからもよろしくお願いします。

斜塔を支えるポーズ うまく撮れましたね~
私たちもやったけど こんなにちゃんと写らなかったわ

さすがに斜塔へは登りませんでしたか?
ゆっくりできるなら 登ってみたかったです

洗礼堂やドゥオモも 本当に素晴らしかったですよね~

青空に白い建物が映えてますね~
それにしても、ピサお決まりのベタな写真、なかなかうまく撮れてますね(笑)
もうちょっと「つぶれそー!」って顔していれば、なおGOODです!

緑のじゅうたんも気持ちよさそう。
天気がよければずっとここでのんびりしてたいような所ですね。

>マリンさん
私たちの胸にも、ドゥオーモ広場はとても心に残りました♪
トスカーナの風景は、シエナのドゥオーモ付属美術館の展望台、及びフィレンツェのサン・ミニャート教会とミケランジェロ広場から堪能したので、ピサの斜塔はパスしました。もとより、ピサではリュックを背負っていたため、塔に登ることはほぼ不可能でした(もしかしたら、預けられるところがあるのかもしれませんが)。
10時台にはチケットオフィスはそれほど混んでいませんでしたが、11時を過ぎると長蛇の列ができていました。

>KOJI Takeさん
斜塔を支えるポーズは定番ですが、ここを訪れたからには、やらずにはいられませんよね~。撮影する際、手の角度やカメラのアングルにはかなり気を配り、表情は少し爽やかめにしてみました(笑)
日なたの芝生の上は気持ちよかったですが、座り続けるには暑く、日曜日で混雑していたため、日陰で座れる場所を探すのは困難でした。それでも、ピサのドゥオーモ広場は心地よかったです♪

こんにちわ!
イタリアが大好きなんです。
スペイン、フランス、オーストリアに行きましたが、
やっぱりイタリアですね。
映画、ワイン、音楽は興味ありませんか?
また、ブログにお立ち寄りください!

たかしさん、こんにちは!
どちらのたかしさんかと思ったら、フィレンツェのサン・ミニャート教会つながりのD's-hairさんですね♪
『アンティカ オステリア デルポンテ』や『リストランテドーラ』の料理、おいしそうですねぇ~。でもやっぱり、いちばんうらやましいのはカプリ島の青の洞窟です!

大土千恵子:

初めまして!楽しく拝見させて頂きました。9月に11日間、新婚旅行で初のイタリアへ行きます。毎日、旅行計画作りに追われています。。私達もピサ観光後、ラ・スペツィアへと移動するのですが、ピサ→ラ・スペツィアのチケットを購入して、途中下車でピサ観光はできるのですか?日本の感覚だと改札は出れないですよね・・良ければメール下さい

 大土千恵子さん、はじめまして。
 コメントありがとうございました♪
 基本的に、イタリアの鉄道駅(地下鉄駅は除きます)には日本の駅のような改札はありません。鉄道から降りたら、誰にも切符を見せる必要はなく、そのまま駅の外に歩いて出ることができます。そのかわり鉄道内で不定期に検札があり、切符を持っていない場合、もしくは刻印の無い場合は罰金をとられることになっています。
 本文中にも書いたとおり、私たちは、フィレンツェSMN駅からラ・スペツィア・チェントラーレ駅までの切符(1人8.7ユーロ)を購入し、途中のピサ・ロッソーレ駅で途中下車しました。途中下車は、有効時間内であれば可能のようです(詳しくは、下のサイトを参照してください)↓。
http://www.amoitalia.com/italia/treno.html
 11日あれば、いろいろな都市を訪れることができそうですね♪それでは、良いご旅行を!

ASAKO:

2007年12月に、数年越しの望みが叶ってイタリアに一人旅の予定です。

で、予定を立てていて驚いたのですが、ピサってこんなに世界的に有名なのに、意外と情報がないんですね!

フィレンツェから汽車で1時間程度というところまでは分かったのですが、
ドゥオーモ広場以外の見所も知りたいのに全然情報が手に入りません。

もっとも、ピサに行く予定の日の午後にはにミラノに移動しなければならないので、往復の時間も含めて半日程度しかないのですが・・・。

色々と検索してこちらのページを発見し、
ドゥオーモ広場だけでなく行き方も詳しく書いて下さっていたので助かりました。

時間がないので、オープンの9:00には到着していたいのですが、電車の本数は選べるほどたくさんあるのかしら?
英語もロクに話せないのにちゃんとチケット買えるのかしら?
なんて不安でいっぱいです。
もしよろしければ、電車事情について教えて頂けませんでしょうか?

ASAKOさん、はじめまして!
念願のイタリア旅行、すばらしいものになるといいですね♪私たちは、ピサはドゥオーモ広場以外訪れていないので、広場以外の場所についてはアドバイスしかねますが、その他のご質問についてお答えいたします。

列車の頻度の件ですが、まずイタリア国鉄(Trenitalia)のサイトの英語ページ↓にアクセスしてください。
http://www.trenitalia.com/en/index.html
画面左側の Leaving from? に『Firenze』と入力。
Going to? に『Pisa S.Rossore』と入力。
そして、ASAKOさんが訪れるときの日付を選択。
Time of travel? は、とりあえず『6:00』と選択し、
『SEND』をクリックしてください。
すると、どのくらいの頻度で列車があるのかが分かると思います。もし、ピサ中央駅で下車する予定ならGoing to?には『Pisa』と入力してください。
この要領で、ミラノへ行く列車なども調べることが可能です。

チケットは、窓口で目的地、人数、1等か2等かを書いた紙を見せれば間違いなく購入できると思いますが、チケット券売機も操作はそれほど難しくないので、このサイト↓を参考にしてチャレンジしてもいいかもしれません。
http://italiadaisuki.ddo.jp/sub4_web03.htm

なれない旅行で不安なことも多いと思いますので、またご質問があれば、コメントしてください(^_^)。それではまた♪

ASAKO:

管理人様
ご親切にありがとうございました♪
イタリア国鉄のHPにまだ12月の時刻表はUPされていませんでしたけど、10月の情報でチェックしたところ、結構本数ありそうだし、何とかなりそうですね。

最近、惣領冬実の『チューザレ』という漫画にハマっていまして、その漫画にピサがいっぱい出てくるんですね。
ガイドブックにはほとんどドゥオーモ広場しか載っていないのですが、漫画を参考にしつつ周辺も探索するのをとても楽しみにしているんです。

朝一の電車ではりきって行ってきます!
本当にありがとうございました!

ASAKOさん、どういたしまして!
なるほど、そういう目的があるのですね。自分の好きな作品の舞台を訪れるにあたって意気込むお気持ち、良く分かります。
街歩きを楽しみにされているのであれば、ピサ・チェントラーレ駅で下車して、そこから歩いてドゥオーモ広場を目指すのもいいかもしれませんね。
12月のイタリアはクリスマスの催しで美しそうですが、日が短いのでお気をつけて旅行してください!

Y.Tanaka:

久しぶりに見させて貰いました。
写真の構図や記事もすばらしく、旅行に行きたくなってしまうようなブログで楽しませて貰いました。
定年退職後には是非イタリアへ行きたいなと思います。
そのときはガイドお願います。

Tanakaくん、こんばんは。
私は最近、TVドラマ『ガンジス河でバタフライ』や石田ゆうすけ氏の著書などに感銘を受けました。旅行を疑似体験すると、旅行熱が高まるのを自分で感じます。
このブログを見たことで、少しでもそういう気分になってもらえたならとても光栄です。
定年後を楽しみにしてます♪

コメントを投稿

記事の新旧を問わず、コメントは大歓迎です。
ご質問、ご感想、壁紙のリクエストなど、お待ちしています。

2006イタリア・フランス旅行記(このカテゴリー)内の 全てのエントリー

Copyright (C) 2004-2008 Itsumo-Kokoroni-Europe. All Rights Reserved.