ニース NICE
8月18日(金)。7:00起床。ニースは、雲1つない晴天。
出発前、ジャパンエンタープライズ株式会社で『フランスレイルパス(セーバーパス・2等・7日間)』を購入しておきました。リュックのいちばん奥にしまってあったフランスレイルパス。旅行18日目にして、ついにその威力を発揮するときがきました。
・レイルパスとは、簡単に言うと、『外国人旅行者のみ購入できる、一定の料金で、一定の期間・一定の区間、電車に乗り放題になる乗車券』です。
・フランスレイルパスは、フランスの国鉄(SNCF)に乗り放題になります。期間は3日間から9日間のあいだで選べます。
・TGVなどの全席指定の列車は、別途座席指定料(1人1.5ユーロ~3ユーロ)だけ追加して支払えば乗車できます。
・フランスレイルパスの有効期間は、最初の使用日から1ヵ月です。1ヶ月以内であれば、18日、24日、25日…というふうに、使いたい日を自由に選ぶことができます。
・2人が同一行動する場合、セーバーパスを購入すると、普通のパスよりも15%ほど料金が割安になります。
以上が、フランスレイルパスの大まかな説明です(なお、この情報は2006年11月現在のものであり、今後変更になる可能性が大きいですので、ご購入の際はご自身で最新の情報を調べてからにしてください)。
■■たちが購入したフランスレイルパスは、『セーバーパス・2等車両・7日間有効券』。1人32,700円(送料込・218ユーロ相当)でした。これはこれからフランスを縦断&周遊しようとしている旅人にとっては、かなり懐に優しい金額です。しかも、いちいち窓口で乗車券を購入する手間が省けるのも、大きなメリット。
ニース・ヴィル駅の窓口で、フランスレイルパスをバリデーションしてもらい(ハンコを押されただけでした)、ホームへ。ニース・ヴィル駅は、ホームに行くまでのところにゲートがあり、駅員が乗車券をチェックしていました。■■がフランスレイルパスを見せると、日付の欄を指差し、「日付を記入しなさい。」と言われたので、記入しました。
7:53、ニース・ヴィル駅発。
カンヌ CANNES
人口約67,304人。国際映画祭の舞台。
8:29、カンヌ駅到着。駅内の観光案内所はまだ開いていなかったので、駅の窓口でマルセイユ行きの時刻表をもらい、それからパレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ(映画祭の会場)へ行きました。
駅からパレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレまでは、徒歩6分程度。
いろいろな有名人の手形がありましたが、想像よりも雑然と配置されていました。水たまりの中に浸かってしまっている手形があったりして、ちょっとがっかり。手形をざっと見てみましたが、
8:55になると、パレ・デ・フェスティバルのスタッフが、レッドカーペットを階段に敷きはじめました。
↑【左】カンヌ鉄道駅。 【右】8:56。階段にカーペットを敷くところ。↑
↑国際映画祭の会場、パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレのレッドカーペット。
「恋のダウンロード ふたりパレード♪」
「君がいれば レッドカーペット♪」
レッドカーペットで記念撮影。
地元では『穴蔵』と呼ばれるパレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレは、6万平方m。カンヌ湾に面して建てられています。国際映画祭は、毎年5月中旬に10日間にわたって開かれています。
↑【左】9:24。 【右】カンヌの観光案内所。↑
9:00にパレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ内部の観光案内所がオープンしたので、そこで手形についてたずねたら、手形のリストをくれました。
ABRIL Victoria (1995)からZULAWSKI Andrezj(1985)まで、アルファベット順に全13ページにわたって受賞者が書かれたそのリスト。はじめのページから目を通すと……、
KINSKY Nastasssja non posee
KITANO Takeshi 1999 no.234
KLINE Kevin 1997 no.251
KUROSAWA Akira 1990 no.219
KURYS Diane 1987 no.114 (抜粋)
『K』の欄に日本の2大巨匠の名が刻まれていました。さっそく、2人でしらみつぶしに手形を注意深く調べていくと、●●が黒澤明監督の手形を発見。なんと、水たまりの中に水没していました。
しかし、北野武監督の手形は、どれだけ探してもみつかりませんでした。
「誰かが盗んでしまったのか、それとも別の場所にあるのかな?」
↑【左】ブルース・ウィリスの手形。 【右】シャロン・ストーンの手形。↑
↑黒澤明監督の手形を発見。残念ながら水たまりに浸かっていました。↑
↑【左】デニス・ホッパーの手形。 【右】カンヌはセレブの街。↑
10:10、駅に戻り時刻表を調べると、カンヌからマルセイユまでの電車は、
カンヌ10:37発 → マルセイユ12:38着 (corail TEOZ)
カンヌ10:48発 → マルセイユ12:48着 (TGV)
カンヌ11:00発 → マルセイユ12:59着 (TGV)
カンヌ11:42発 → マルセイユ13:42着 (普通列車)
このように頻回に運行していました。しかし、corail TEOZ(コライユ・テオズ)とTGVは、所要時間は上記のとおり普通列車と変わらない(所要2時間)にもかかわらず、全席指定で座席指定料が別途かかるので、■■たちは11:42発の普通列車に乗ることにしました。
コート・ダジュールには、ヴィルフランシュ(ヴィルフランシュ・シュル・メール)やアンティーブなど、魅力的な街があり、訪れようかどうか迷いましたが、アンティーブはピカソ博物館が改装工事のため閉館中のため、プランから漏れました。ヴィルフランシュは、旅行の初期だったらおそらく訪れたのでしょうが、いろいろなところを訪れてきた現在、どうしても訪れておきたい…とまでは思えなかったので、ヴィルフランシュにも行かないことに。
さて、出発まで時間があるので、窓口でスーパーマルシェの場所をたずねると、なんとここカンヌにもモノプリ(MONOPRIX)があるとのこと。鉄道駅から西方向へ2分歩くと、モノプリがありました。カンヌのモノプリは、1階が日用品、2階が食料品売り場になっていました。階段を上るとすぐに、ケーキやプディング、エクレアが売っているブースを発見。行列ができるほどの人気ぶりでした。クロックムッシュや、キッシュ、タルト類は、ショーウィンドウにディスプレイされておらず、後方の目立たないところでつくられていましたが、●●がそれを発見。
エクレア(コーヒー味) 1.5ユーロ(225円)
プディング 1.23ユーロ(184円)
キッシュ 2.2ユーロ(330円)
クロックムッシュ 2.0ユーロ(300円)
これらを購入しました。チーズケーキと見間違うほどの大きさのプディングも上品な味でしたが、ここでの最大のヒットは、何といっても●●が食べたいと欲していたクロックムッシュ。グリュイエルチーズのじゅくじゅくした感じと、トーストのカリカリした感じが、絶妙のハーモニー♪
↑【左】モノプリ店内。 【右】カンヌ駅のホームで、電車を待ちました。↑
↑【左】モノプリで購入したクロックムッシュ。 【右】マルセイユ行きの普通列車。↑
カンヌ鉄道駅に戻り、マルセイユ行きの普通電車に乗車。11:42、定刻どおり出発。普通列車は、コンパートメント(8人1部屋)タイプ。夏の観光時期だけあって、かなり混んでいましたが、PSP(プレイステーション・ポータブル)をやっている2人組と、中年男性1人が座っているコンパートメントに空きがあったので、そこに入って座りました。
PSPをやっている男性2人組は、おそらく20代前半の英語圏の旅人。intel insideを文字ってmetal insideと書かれているTシャツを着ていました。
列車は、クーラーはありませんでしたが、開いた窓から涼しい風が入ってきました。13:00ちょうど、飼い猫をカゴに入れた女性が、トゥーロン(Toulon)駅から乗ってきて、●●の隣に座りました。
マルセイユ MARSEILLES
人口約798,430人。プロヴァンス最大、フランスで2番目の大都市。
13:46、普通列車は4分遅れでマルセイユ・サン・シャルル駅に到着。ホームは、人でごったがえしていました。切符売り場の窓口近くに、プロヴァンスの都市(アヴィニョン、アルル、ニーム、オランジュなど)への電車の時刻表の冊子が置かれていたので、とりあえず入手しておき、それから駅のすぐ南側にある観光案内所へ。
地図をもらい、ユニテ・ダビタシオンと、ノートルダム・ギャルドバジリカ聖堂の場所と、本日のホテルの場所を地図上に記入してもらいました。そしてもちろん、モノプリの場所も♪
↑【左】マルセイユ・サン・シャルル駅は大混雑。 【右】駅から臨んだ、マルセイユの街。↑
↑サン・シャルル駅は高台に。
14:08、観光案内所を出発。フランスの中でも治安が悪いとされる、マルセイユ。コート・ダジュールに比べて、街並みはどこか陰が落ちていました。
「車の運転が荒いね。」
「犬のふんがあちこちに落ちているね。」
「ここが、『深夜特急』で、松嶋菜々子が『来てみたかったの。』と言い実際に訪れたマルセイユかぁ。」
マルセイユは、道路と道路の交わり方が微妙に複雑で、通りを把握するのが難しく、Rue des Petites Mariesという通りを歩いてホテルに向かっているつもりが、実はBoulevard d'Athenesという通りを歩いていてしまっていて、あらぬ方向へ。
結局、駅から最短で徒歩10分くらいの道のりを、40分もかかってホテル・Citadines Apart'hotel Marseille Centre (シタディーヌ・アパートホテル・マルセイユ・サントル) (Citadinesはシタディーヌ、シタディンヌ、シタディン、シタディネスなど、種々の日本語表記がありますが、ここではシタディーヌとします) に到着しました。なんだか長ったらしい名前のホテルなので、少しヤバい感じがしていたのですが、実際にはとても新しくてスタイリッシュなホテルでした。2人1泊1室64ユーロ(9,600円、朝食なし)。
↑【左】216号室。 【右】ちょうどいい硬さのソファ。↑
216号室は、現代建築のお手本のような機能的なつくりでした。入口を入ると、冷蔵庫と電気コンロはもちろん、電子レンジやオーブンまで設置されたキッチン。その奥に、可動式でダイニングテーブルにもなる机と、大きなソファーが置かれた部屋がありました。ソファーは、座る部分を手前に回転させると、ベッドに早変わりするタイプ。
「このソファーの回転こそ、本物のマルセイユ・ルーレット(?)だね。」
「シタディーヌ・ジダンの必殺技?」
↑【左】設備の整ったキッチン。 【右】ソファーはベッドに早変わり。↑
テラスもあり、トイレとバスルームは別れていて、しかもこの旅行で初のバスタブ付お風呂でした。何より良かったのは、改装したばかりなのか、よほど掃除人がきっちり仕事をしているのか、本当に部屋がきれいだったことです(テーブルやイスの綺麗さからして、おそらく最近改装したのだと思われますが)。
実は、この旅行の計画をたてた段階では、マルセイユ郊外にあるユニテ・ダビタシオン(建築家・ル・コルビュジェがつくった17階建ての集合住宅で、4階はホテルになっている)を予約しようとしたのですが、あいにく満室で予約できなかったので、Citadines Apart'hotel Marseille Centreを予約したのです。結果的にはこちらのホテルで非常にラッキーでした。
「よ~し、今日は久しぶりの自炊だね!ブイヤベースよりも美味しい料理を作ろう!」
「さっそくモノプリヘ行こう♪ ゴーゴーモノプリ!」
買出しに行く前に、ロビーのパソコンでインターネットが無料でできたので、メールなどをチェックし、家族に旅の無事を知らせるメールを送りました。日本語入力はできませんが、日本語の表示は可能だったので、Yahoo!のニュース欄をチェック。
↑【左】ロビーのパソコンで、メールとニュースをチェック。 【右】ホテルの外観。↑
「『ハンカチ王子が決勝進出』?ハンカチ王子って誰だろう?」
「よく分からないけれど、日本はどうやら平和みたいだね(^o^)。」
↑【左】潮の香りがたちこめる、ビュー・ポール(旧港)。 【右】オペラ座。↑
15:30、ホテルを出発し、ビュー・ポール(Viux Port:旧港)やオペラ座を足早に見学したあと、モノプリヘ買出しに行きました。マルセイユのモノプリには、総菜屋やパン屋はなく、普通にスーパーとしての機能を果たしているだけでした。カンヌと同じく、衣類が1階、食料品が2階。
トマトソース、ペースト・ジェノヴェーゼのソース、パスタ、豚肉、アイスクリームなどを購入し、ホテルへ戻りました。帰路、少し雨が降ってきました。天候が変化しやすいのは、港町の特徴。ホテルのそばには、モダンな建造物が並んでいました。
↑【左】マルセイユは、奇抜な建造物の宝庫。 【右】神殿の跡で、サッカーをする少年。↑
↑下町情緒あふれる空間。
17:45、ホテルに戻り、18:00から調理開始。トマトソース+ペースト・ジェノヴェーゼソースのパスタと、豚肉の塩コショウ焼きをつくりました。
ペースト・ジェノヴェーゼのパスタは、8月6日にtirrenia社の船内で、8月15日にジェノヴァで食べて以来すっかりハマッて、この旅行3度目。モノプリ独自商品のペースト・ジェノベーゼソース(190g)は、1.99ユーロ(298円)という安さながら、芳醇な香りでした。
また、塩とコショウは、飛行機(往路)の機内食に付いていて、使用せずキープしておいたものを使いました。
↑【左】トマトソース+ペースト・ジェノヴェーゼのパスタ。 【右】肉は強火で!↑
↑【左】調理前の商品。 【右】ソファーはベッドに早変わり。↑
「日本とフランスの平和に、乾杯!」
「ジェノヴェーゼソースに、トマトを混ぜると、なんかすごく美味しい♪」
「トマトソースも、ジェノヴェーゼソースも、モノプリ独自商品だからね♪」
「セ・ボ~ン♪」
この旅行初の、バスタブ付きバスルーム。およそ3週間ぶりにバスタブにゆったりつかって、ぐっすり眠りました。